トリコモナス症って治る?トリコモナス症の治療薬ランキングを紹介
性病にはさまざまな種類があり、種類によっては感染者数の調査対象に指定されており、どのぐらいの患者数がいるのかを把握することができるようになっています。
そうした感染者数の調査に指定されていない性病のひとつとなっているのが「トリコモナス」です。
このトリコモナスは感染者数の調査対象にはなっていませんが、性病の中でも最も多いとされています。
世界保健機関(WHO)の調査によると、2016年に15~49歳の男女1億5,600万人が新たにトリコモナス症に感染したと発表されています。
この感染者数は性病の中でも多いクラミジアよりも3,000万人以上多い結果となっています。
そんな、トリコモナス症について、こちらのページではさまざまな観点から紹介していきます。
参考元:WHO|More than 1 million new curable sexually transmitted infections every day
トリコモナス症とは
世界中で最も感染している人が多いとされているトリコモナス症ですが、そもそもこのトリコモナス症とはいったいどういった病気なのでしょうか?
トリコモナス症はトリコモナスと呼ばれる原虫が性器の中に入り込んで炎症などを引き起こす性病のひとつです。
このトリコモナスは男性の場合だと尿道や前立腺、精嚢といった場所に寄生して炎症を引き起こします。
一方、女性の場合は膀胱や尿道、膣や子宮頚管に寄生して炎症を引き起こします。
そうして、炎症が起きることでさまざまな症状を引き起こすのがトリコモナス症となっています。
そのため、男性と女性でトリコモナスが寄生する場所が違う場合もあるので、あらわれる症状も男女によって違ったりします。
トリコモナスの感染経路
既に説明したように、トリコモナスは原虫が尿道や前立腺、膣や子宮頚管などに寄生して発症する性病です。
そんなトリコモナスが感染する経路としては、通常性交が基本となっています。
また、可能性は低いですがキスや口腔性交(オーラルセックス)といった性行為でも感染する場合があります。
そのため、トリコモナスに感染している場合には性行為を行うときには注意する必要があります。
感染予防の基本的な方法として、コンドームがありますがコンドームを用いたとしても、コンドームに覆われていない部位から感染したり、適切にコンドームを使用できておらずに感染してしまう場合がある点には注意が必要です。
さらに、このトリコモナスは性行為をせずとも感染して発症してしまう場合があります。
トリコモナスは性行為以外でも感染するの?
性病であるトリコモナスは、性交渉が基本的な感染経路となっていますが、実は性行為以外であっても感染する可能性があります。
性交渉以外での感染経路として
- 下着
- タオル
- 便座
- 浴槽
といったものを介して感染します。
そのため、トイレや浴室などで感染する可能性も十分にあるので、性交渉の経験がないという方でもトリコモナスに感染して発症する場合があるという点には注意が必要です。
こうした感染経路もあるということを把握して、トリコモナスに感染している方とはタオルや下着の共有はしないようにしたり、浴室などにも注意するということが重要な予防法になります。
また、多くの性病は母子感染する可能性がありますが、トリコモナス症は母子感染することはありません。
ですが、妊娠されている方がトリコモナス症になると早産などのリスクが高くなるという点には注意が必要です。
トリコモナスの潜伏期間
では、実際にトリコモナスの原虫が性交渉などで感染してしまった場合、感染から実際に症状としてあらわれるまでには潜伏期間が存在します。
潜伏期間は男女で違っており、下記の表の通りです。
性別 | 潜伏期間 |
---|---|
男性 | 10日前後 |
女性 | 5~14日 |
参考元:あおぞらクリニック
女性の方が早く症状があらわれる傾向がありますが、男性よりも遅く症状が出る場合もあります。
潜伏期間中は症状が出るということもないため、感染に気付くことが容易ではありません。
また、潜伏期間が男女で違ったり、女性の場合は潜伏期間に幅がある上、感染経路も幅広いため感染した場合に感染源を特定するのが容易ではないという点には注意が必要です。
トリコモナスの症状
では、実際にトリコモナスに感染して、トリコモナス症が発症した場合にはどういった症状があらわれるのでしょうか?
ここからは、トリコモナス症が発症した時の症状について紹介していきたいと思います。
トリコモナスに感染した方の中には自覚症状が全くでないという方もいるので、トリコモナスの感染に気付くには、どういった症状があらわれるのかを把握しておくことが重要です。
膣トリコモナス症は男性も感染する
トリコモナス症は、膣トリコモナス症とも呼ばれることが多いため、女性だけに感染する性病というイメージが持たれがちです。
ですが、ここまでお話してきたようにこのトリコモナスの原因となる原虫は女性だけでなく、男性の尿道や前立腺にも寄生して炎症を起こします。
ただし、尿道に寄生したトリコモナスは尿と共に排出されてしまう可能性もあるため、感染したけど未然に発症を防げるという場合もあります宇。
ですが基本的には、トリコモナス症は男性にも感染する性病だというのを心に留めておく必要があります。
トリコモナスの症状:女性
トリコモナスが女性に感染した場合にあらわれる症状は
- 性器のかゆみ
- 緑が掛かった泡状のおりもの
- 膣の赤み
といった、膣炎の症状を引き起こします。
ただし、トリコモナス症は上記のような症状があらわれる方もいれば、全くの無症状という方も少なくありません。
女性の場合は、20~50%の方が無症状ともいわれており、感染していることに気づくことなく知らず知らずのうちの感染を広げてしまっているなんていう場合もあるので注意が必要です。
無症状であれば問題ないと考える人もいますが、トリコモナス症を放置してしまっていると膣の炎症が卵管などにも広がってしまい、不妊症や早産、流産といったことの原因にもなってしまいます。
そのため、妊娠を希望している女性の場合は、定期的な性病検査などを行うなどして、自身で対策を立てるということが非常に大切になります。
トリコモナスの症状:男性
次に、男性がトリコモナスに感染してトリコモナス症を発症した時の症状について紹介していきます。
男性がトリコモナス症を発症した場合にあらわれる症状は
- 尿道から膿の排出
- 尿道の痛みや痒み
- 排尿時の軽い痛み
といったものになっています。
淋病やクラミジアと同様の症状があらわれますが、淋病やクラミジアと比べると症状自体は軽めの場合が多いです。
また、女性と同様に無症状であるという場合もあります。特に男性の場合は70%以上の方が無症状ともいわれているため、女性より気づきにくくなっている点に注意が必要です。
男性の場合も女性と同様に、無症状でトリコモナス症に気づかず放置してしまっていると炎症が尿道から前立腺や精嚢にまで広がってしまい、不妊の原因となってしまうことがあります。
トリコモナスは再発しやすい
性病の種類は沢山ありますが、中でもトリコモナス症は再発しやすい部類の性病となっています。
これは、これまでに紹介してきたように無症状であるケースが多いためです。
自分のトリコモナス症に気づくことができたとしても、パートナーは無症状で治療しないままピンポン感染してしまうなんていうケースが珍しくないのです。
ピンポン感染とは、名前にあるピンポン(卓球)のように、感染症をうつしたり、うつされたりを繰り返してしまう状態です。
そのため、トリコモナス症の治療をしても再びパートナーから感染させられて、再発するというケースが多く再発しやすい性病となっているのです。
このピンポン感染による再発を防ぐためには、自身とパートナーが同時に治療を進めて完治させるということが重要になります。
そうすることによって、治療後にパートナーから感染させられたり、感染させてしまったりということを防げます。
トリコモナスの治療方法
治療せずに放置してしまっていると、不妊症のリスクにもなってしまうトリコモナス症を治療する場合、どのような治療方法があるのでしょうか?
現在ではトリコモナス症を治療する方法として
- 病院での治療
- 個人輸入代行を利用しての治療
というふたつの方法があります。
そこで、ここからは上記のトリコモナス症の治療方法について、それぞれ詳しく紹介していきたいと思いますので、どちらの治療法が自信に合っているのかを把握して、適切な治療を進めるようにしましょう。
病院で治療を受ける
トリコモナス症を治療する方法として、一番オーソドックスなのは病院での治療になります。
診察を受ける診療科は性感染症内科や男性なら泌尿器科、女性の場合は婦人科を受診します。
病院では尿検査などを行ってトリコモナスの感染有無を確認した上で投薬療法を行います。
トリコモナス症の治療には抗菌薬であるメトロニダゾールやチニダゾールを使用します。
メトロニダゾールは1日1回の服用を10日間継続し、チニダゾールは1日2回の服用を7日間継続します。
どちらも治療薬を用いる場合でも、それなりの期間継続する必要があり、一度服用すれば完治するといったものではないという点には注意が必要になります。
病院で治療する場合、保険が適用されれば検査費は2,500円程、薬代が1,000円程で合計3,500円程で治療が可能です。
しかし、保険適用されない場合、検査費用は5,000円程、薬代は9,000円程となってしまい、合計で14,000円程の費用が必要になるため注意が必要です。
個人輸入代行で治療薬を購入する
トリコモナス症の治療法は病院で治療を受ける以外に、個人輸入代行で治療薬を購入するという方法があります。
個人輸入代行は、海外から医薬品を個人輸入する際に必要となる手続きなどを全て代行してくれるサービスとなっています。
この代行サービスではトリコモナス症の治療に利用できるメトロニダゾールやチニダゾールを配合した治療薬も取り扱っています。
そのため、代行サービスを通じて治療薬を個人輸入して、自身で治療を進めていくという形になります。
それぞれの治療薬は海外製のジェネリックも多いため、病院で処方してもらうよりも安価で治療薬を手に入れることが可能となっています。
この方法であれば、病院へ足を運ぶといった必要がないため、性病に感染しているといったことが誰かにバレるリスクが病院に通院するよりも低いという特徴があります。
また、検査費用や診察費用が必要にならないので、それぞれの薬代だけで治療を行えるようになっています。
薬代としては、メトロニダゾールで3,800円程、チニダゾールで4,800円程となっています。
トリコモナスの治療薬人気ランキングBEST5
トリコモナスの治療にはメトロニダゾールやチニダゾールが用いられますが、個人輸入代行では同じ成分を配合している治療薬の中にもさまざまな種類があったりします。
そのため、どの治療薬を利用すればいいのか迷うケースも珍しくありません。
そこでここからは、トリコモナス症の治療ができる治療薬を人気ランキング形式で紹介していきます。
人気のある治療薬は、その分だけ多くの人に利用されているという実績があるので、信頼して使えます。
1位:フラジール
トリコモナス症の治療薬ランキングの1位になったのは「フラジール」です。
フラジールはフランスの製薬会社であるSanofi Aventisが製造・販売しています。
有効成分にはメトロニダゾールを配合し、トリコモナス症を改善へと導きます。これは有効成分であるメトロニダゾールがトリコモナスのDNA合成を阻害することで死滅させるためです。
こちらのフラジールの価格は1箱あたり3,760円(1錠あたり188円)となっています。
2位:チニバ
トリコモナス治療に使われる人気治療薬ランキングの2位は「チニバ」です。
こちらは数々のジェネリックを手掛けているインドのZydus Healthcareが製造・販売しているジェネリック医薬品です。
有効成分として配合されているのは「チニダゾール」で、国内でもチニダゾールを配合した治療薬が処方されています。
チニダゾールはトリコモナスの増殖や分裂を抑えることで、数を減らして改善へと導きます。
価格は1箱あたり4,760円(1錠あたり48円)となっており、1箱辺りの価格は高いですが、1錠あたりの価格はかなり安くなっています。
3位:ファシジン
人気治療薬ランキングベスト3の最後となったのは「ファシジン」です。
こちらはバイアグラで有名な製薬会社である「Pfizer」が製造・販売する治療薬です。
有効成分は2位のチニバと同じチニダゾールを配合しており、原虫の分裂や増殖を抑えることでトリコモナス症を改善へと導きます。
価格については1箱辺り4,600円(1錠あたり46円)と、2位のチニバと比べて多少安価になっているという特徴があります。
4位:マクミラー
トリコモナス症の治療薬ランキング4位になったのは「マクミラー」です。
有効成分として配合されているのはニフラテルで、細菌の糖代謝を阻害することで細菌が増えるのを抑えることによって、症状を改善へと導きます。
また、こちらはトリコモナスだけでなく、クラミジアやカンジダといった性病の治療にも用いられます。
こちらはイタリアの製薬会社であるDoppel Farmaceuticiが製造・販売する治療薬です。
価格は1箱辺り3,200円(1錠あたり160円)となっています。
5位:ブイジェル
最後に紹介するトリコモナスの治療薬は「ブイジェル」です。
こちらは、インドのアーユルヴェーダ医学に基づいたハーブ製品を多数販売しているHimalaya Herbalsが製造・販売しています。
有効成分はペルシャローズやトリファラといった天然由来成分となっているため、副作用リスクがなく安心して使うことができます。
価格は1本あたり1,760円となっているため安価で試せるといったメリットがあります。
ただし、天然由来成分で作られた商品であるため、医薬品ではないという点には留意しておく必要があります。
まとめ
こちらのページでは性病であるトリコモナス症について様々な情報を紹介してきました。
トリコモナス症は男性よりも女性に多い性病のひとつです。
また、トリコモナスは膣トリコモナス症といった名称で呼ばれることも多いため、男性には感染しないと勘違いされてしまうことも少なくありません。
ですが、トリコモナス症は男性にも感染する性病であるため、性別問わずに適切に予防法や治療法を把握しておくことが重要です。
また、トリコモナス症は性行為だけで感染するというわけではなく、性交渉以外の感染経路で感染してしまうという場合もあります。
そうした時にも、適切な知識を持っていれば速やかに治療を進めることができるので、適切に把握しておくようにしましょう。