クラミジアは性行為以外でも感染する?感染する可能性がある行為や予防方法を解説
クラミジアは性感染症のなかでも感染率が高い病気です。
一般的には性行為によって感染します。
ですが、クラミジアが温泉やプ―ル、タオルを介してなどの性行為以外の経路で感染するのかが気になるという方もいるでしょう。
こちらのページでは、クラミジアが性行為以外でも感染するのかといったことから、クラミジアの予防法まで幅広い情報を紹介していきます。
クラミジアとは?
クラミジアはクラミジア・トラコマチスに感染することで発症する性感染症です。
男女ともに感染する可能性があり、自覚症状があらわれにくく気づかないことが多いです。
主な症状としては男性に感染した場合は、尿道炎や排尿時の痛みなどがあらわれます。
感染したまま放置すると尿道炎や精巣上体炎などを発症する可能性があるため、早期治療が大切です。
女性の場合はおりものの増加や不正出血、下腹部の痛みなどがあらわれることがあり、放置すると子宮頚管炎や骨盤内炎症性疾患などを発症する可能性があります。
なお、クラミジアは性器だけでなく喉や目にも感染します。
クラミジアは性行為以外でも感染する?
性行為以外に日常生活でクラミジアが感染する可能性はほぼありません。
クラミジアが体内から離れると生きていくのが難しく、すぐに死滅してしまいます。
そのため、温泉やプールなどからの感染は極めて低いです。
性感染症の中には、性行為以外の経路で感染するものもありますが、クラミジアではそうした可能性はほぼないと言えるため、感染経路の特定は性行為以外で感染するものと比べて容易といえます。
性行為以外で感染するかもしれない「産道感染」
前述した通り、クラミジアは性行為以外で感染するリスクは極めて低いですが、例外として産道感染する可能性があります。
産道感染とは、クラミジアに感染した母親から生まれる赤ちゃんが、産道を通過する際にクラミジア菌に接触して感染することです。
産道感染は避けられないものではなく、妊婦が定期的に検査を受けて必要な治療を行うことで予防できます。
産道感染のリスクを軽減するためにも、妊娠中のクラミジア検査は非常に重要です。
クラミジアに感染する可能性のある性行為
クラミジアは性行為によって感染しますが、感染箇所は性器だけではありません。
そのため、挿入時以外にも感染する可能性があるのです。
ここからは、クラミジアに感染する可能性がある性行為について見ていきましょう。
挿入時
クラミジアの最も一般的な感染経路は、挿入を伴う性行為です。
挿入によって、感染したパートナーの体液に接触することで、クラミジア菌が体内に侵入します。
クラミジアに感染して症状があらわれていない状態であっても、クラミジアは体内に存在するため感染を広げる可能性があります。
そのため、コンドームを正しく使用することが感染予防において重要です。
口腔性交
クラミジアは、口腔性交によっても感染します。
たとえば、男性器がクラミジアに感染している場合、口腔性交でパートナーの喉にクラミジアを感染させてしまうことがあります。
こうして喉にクラミジアが感染した場合、咽頭クラミジアと呼ばれます。
反対に、自身が咽頭クラミジアである場合、パートナーの性器にクラミジアを感染させてしまう可能性があります。
咽頭クラミジアは、無症状であることが多く症状があったとしても風邪の症状と似ているため、気づかないケースが多いです。
肛門性交
肛門性交もクラミジアの感染経路のひとつです。
たとえば、男性器がクラミジアに感染している場合、肛門性交によって肛門にクラミジアが感染します。
反対に、肛門がクラミジアに感染している場合は、男性器にクラミジアが感染するのです。
肛門性交によるクラミジア感染率は、通常の挿入よりも感染確率が高いといわれています。
この理由は直腸の粘膜が薄く、挿入時に傷付きやすいからです。
粘膜に傷があると、そこからクラミジア菌が入り込み感染します。
また、肛門性交によって直腸の粘膜がクラミジアに感染すると直腸炎を引き起こす可能性もあります。
クラミジアの感染確率・潜伏期間
クラミジアに感染している人との性行為を行う場合の感染確率は30~50%といわれています。
コンドームを着用しないで性行為をした場合で50%となり、コンドームの着用などの対策を行うことで感染確率を下げることができます。
ただし、コンドームを着用するタイミングなどによっても感染確率は上下する点には注意が必要です。
また、クラミジアに感染して症状があらわれるまでの潜伏期間は1~3週間が目安となっています。
クラミジアの予防法
クラミジアの感染確率を下げるためには、しっかり予防することが大切です。
クラミジアの予防法として、以下のような方法が挙げられます。
- コンドームを着用する
- 特定の相手とのみ性行為を行う
- 性病検査を定期的に受ける
ここからは、上記の予防法について詳しく解説していきます。
コンドームを着用する
クラミジアの感染を予防する方法の中で最も基本であり、有効なのがコンドームを着用することです。
コンドームの着用は手軽にでき、さらに感染確率を大幅に低減できます。
ただし、この感染確率の低減効果は性行為の始めから正しく着用している場合に限ります。
クラミジアは口腔性交や肛門性交など、挿入時以外でも感染する可能性があります。
そのため、挿入直前まで装着せずに口腔性交を行っていたりすると、意味がありません。
また、肛門性交で着用したコンドームを装着したまま挿入するというのもNGです。
クラミジアが肛門に感染していた場合、肛門からコンドームにクラミジアが付着し、挿入時にパートナーの性器へクラミジアが感染する可能性があるためです。
これを防ぐためには、肛門性交時と挿入時には別のコンドームを着用することが大切です。
特定の相手とのみ性行為を行う
性行為によるクラミジアの感染を予防するには、感染していないことが確認できた特定の相手とだけ性行為を行うことも大切です。
複数のパートナーと性行為を行えばその分だけ感染確率は高くなります。
感染していないことの確認が取れない不特定多数の相手と性行為を行えば行うほど、感染する確率は高まるため、注意しておきましょう。
性病検査を定期的に受ける
クラミジアの感染を防ぐには、定期的に性病検査に行くことも大切です。
クラミジアは感染しても無症状であるケースが多くあります。
そのため、自身でも気づかずに感染を広げている可能性があります。
こうした事態を防ぐためにも定期的に性病検査を受けることは大切です。
性病検査を受けるタイミングの一例として以下が挙げられます。
- 性行為のパートナーが変わった
- コンドームを着用せずに性行為をした
- 不特定多数のパートナーと性行為をした
上記以外でも、クラミジアに感染するリスクが高い行為をした場合は、性病検査を受けるようにしましょう。
まとめ
性感染症のひとつであるクラミジアは主に性行為によって感染します。
クラミジアは粘膜や体液内でしか生きられないため、温泉やプールなど性行為以外での感染は稀です。
しかし、例外として母親から赤ちゃんに産道感染する可能性はあります。
また、クラミジアが感染するリスクが高い性行為は、挿入時や口腔性交時、肛門性交時などです。
これらの性行為では、喉や性器、肛門などにクラミジアが感染する可能性があるため、注意しましょう。
クラミジアの感染を予防するにはコンドームを着用したり、特定の相手とのみ性行為をしたりするなどの対策が有効です。
また、定期的に性病検査を受けることで、クラミジアの感染拡大を抑えられるため、定期的な検査は必ず行うようにしましょう。