感染部位別の淋病の症状を徹底解説!発症しないための予防方法とは
性行為によって感染する淋病は、重篤化することで男性の場合は無精子症、女性の場合は不妊症になる危険な性感染症です。
淋病に感染した際にすぐに治療ができるように、淋病の症状を知っておくことが大切です。
また、そもそも淋病に感染しないことが重要であるため、予防策についても把握しておくようにしましょう。
この記事では、感染部位別の症状と、それを防ぐための予防方法についてわかりやすく解説します。
淋病に対する理解を深めるのに、ぜひ参考にしてください。
淋病とは?
淋病は、性行為によって淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という細菌に感染する性感染症です。
感染した場合、男性は尿道、女性は子宮頚管などの生殖器官に炎症が起こります。
若年層での感染が広がっており、性器クラミジア感染症や梅毒と同様に注意が必要です。
淋菌は日光や乾燥、温度変化に弱い反面、粘膜内では生き残るという特徴があります。
感染した部位から精巣や子宮へと菌が移動して炎症を引き起こしたり、のどや目のなどにも感染したりする可能性があります。
感染部位別の淋病の症状
淋病は性感染症の一種で、感染部位によって現れる症状が異なります。
ここでは、男性と女性の性器、そしてのどと目にあらわれる淋病の症状について解説します。
【男性】尿道
男性の尿道が淋菌に感染すると、尿道炎が発症します。
尿道の違和感やかゆみや排尿時の痛みといった症状があらわれ、性器から膿が出ることもあります。
これらの症状は、性感染症のクラミジアよりも強く出る傾向にあります。
しかし、症状が起きないケースもあり、個人差が大きいため気づかない場合もあります。
尿道の違和感やかゆみ、排尿時の激しい痛みや膿などの症状がある場合は、直ちに医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
【女性】子宮頚管
女性の場合、淋菌が子宮頚管に感染すると、淋菌性子宮頚管炎を発症します。
おりものの増加や不正出血などの症状があらわれることがありますが、無症状で本人に自覚がない場合も多いです。
具体的な症状としては、おりものの量が増えたり、緑黄色の濃いおりものが出たり、おりもののにおいが強くなったりすることがあります。
ほかにも、不正出血や下腹部痛、排尿時の痛み、頻尿、性交痛などの症状があらわれます。
ただし、女性の場合は自覚症状に乏しいケースが多く、感染に気づかずにいることも少なくありません。
少しでも違和感があったら検査を受けることを心がけ、早期発見・早期治療に努めましょう。
【男女共通】のど
のどの淋病は、淋菌に感染している相手とのオーラルセックスが主な感染経路です。
この場合、淋菌がのどの粘膜に入り込むことで「咽頭淋菌感染症」を発症します。
咽頭淋菌感染症では、のどの腫れや痛み、せき、発熱などの風邪のような症状があらわれます。
しかし、症状が出なかったり、風邪と間違えてしまったりなど、自身が咽頭淋病に感染していると気づけないケースもあります。
咽頭淋病感染症を放置すると、咽頭炎や扁桃腺炎などの合併症を引き起こす可能性があるため、少しでも違和感があればすぐに検査しましょう。
【男女共通】目
目に淋菌が入ると、「淋菌性結膜炎」という病気を発症します。
新生児の場合は、出産時の母子感染によって感染しやすく、成人では感染部位の分泌物や精液、膿などが目に入ることで発症するのが一般的です。
症状としては、目やまぶたの裏側が強く充血し腫れ上がったり、黄色の目ヤニが大量に出たりなどの目立った異常が見られます。
重篤化すると角膜に穴が開いてしまう可能性があり失明に至るリスクもあるため、早期発見と迅速な治療開始が欠かせません。
目に異常を感じた場合は、すぐに眼科を受診して的確な検査を受けることが大切です。
淋病は放置すると危険
淋病は治療を怠ると重大なリスクにつながります。
ここでは、男性と女性それぞれの淋病の重症化リスクについて詳しく解説します。
男性の場合の淋病の重症化リスク
男性が淋病を放置した場合、尿道内の淋菌が精巣上体や前立腺へと感染が広がり重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
具体的には、前立腺炎や精巣上体炎などです。前立腺炎とは、尿道周りにある組織が淋菌により炎症を起こす感染症です。
発熱や寒気、排尿時の痛みなどの症状が起きます。
一方、精巣上体炎は、睾丸の後ろ側にある管状の器官が淋菌により炎症が生じるという感染症です。
歩行困難なほどの強い痛みや発熱、全身の炎症などがあらわれます。
こちらは放置すれば治療後でも無精子症になり、不妊の原因にもなり得ます。
このように淋病を放置した男性は生殖器官が重篤な影響を受けるため、早期発見と適切な治療が欠かせません。
女性の場合の淋病の重症化リスク
女性が淋病(子宮頚管炎)を放置した場合、子宮内膜炎や骨盤内感染症(卵管炎)、腹膜炎、肝周囲炎などの深刻な合併症が生じる危険性があります。
さらに、症状が進むと不妊症を引き起こすことも考えられるでしょう。
また、妊娠中に淋病に感染していると、産道感染により新生児に感染させてしまうリスクもあります。
新生児が淋菌による結膜炎を発症すると失明に至る可能性もあるため、淋病の症状がある場合はすぐに治療を受けましょう。
感染部位別の淋病の予防方法
先述した通り、淋病は性器だけでなくのどや目にも感染する可能性があります。
ここでは、それぞれの感染部位別の淋病の予防方法について見ていきましょう。
性器
淋病を予防するためには、性行為の際にコンドームを着用することが大切です。
性行為だけでなく、性交類似行為の際も同様にコンドームを必ず使用しましょう。
ただし、コンドームが破れている場合や、カバーされていない部位から感染する可能性もあります。
淋病は無症状である可能性もあるため、定期的に検査を受けることが大切です。
のど
のどの淋病(咽頭淋菌感染症)を予防するには、オーラルセックスの際にコンドームを使用することが重要です。
感染者との口腔性交渉によりのどの粘膜に淋菌が侵入した際に、淋病に感染します。
コンドームの装着によりこの感染経路を遮断することが可能です。
ただし、オーラルセックスで使ったコンドームは、そのまま使用せず、必ず新しいコンドームに取り替えてください。
理由は、使用済みのコンドームに付着した淋菌が性器に移る可能性があるためです。
ただし、女性器から男性の喉へと感染する可能性もあるので、そちらの場合はコンドームが使えない点には注意が必要です。
目
目に淋菌が入ると、淋菌性結膜炎を発症する危険性があります。
予防するためには、性器の分泌物が付着した手で目を触らないことが大切です。
性行為のあとは手を十分に洗浄し、目に触れないよう気をつけましょう。
また、性行為の最中に相手の分泌物が目に入らないよう、十分に気をつける必要があります。
目が汚染された場合は、すぐに清潔な水で洗い流して検査を受けるようにしましょう。
早期発見と治療が、結膜炎の悪化を防ぐのに何より大切です。
まとめ
淋病は淋菌によって引き起こされる性感染症です。
男性では尿道炎、女性では子宮頚管炎などを発症しますが、自覚症状がないことも多いため定期検査が重要です。
放置した場合、男性は無精子症、女性は不妊症などの重症化する可能性が高くなります。
性器以外にものどや目に感染することがあり、のどはオーラルセックス、目は性行為時の手を介した接触が主な感染経路です。
コンドームの使用や手洗い・消毒などによる予防が重要であるので適切に対策を行うようにしましょう。