カンジダ症は人にうつる感染症?カンジダの原因や感染経路を解説

カンジダ症は人にうつる感染症?カンジダの原因や感染経路を解説
男性や女性を悩ませる性感染症であるカンジダ

実はこのカンジダはさまざまな経路から感染してしまう可能性があります!

こちらのページではそんなカンジダについて、カンジダの原因や感染経路、症状などさまざまな情報について詳しく紹介していきます。

自身は安心だと思っていても、気づかないうちに感染していることもあるため、適切にカンジダについて把握しておくようにしましょう。

 

カンジダ症の原因菌「カンジダ菌」    

カンジダ症の原因となるのは「カンジダ菌(カンジダアルビカンス)」です。

このカンジダ菌というのは、元々人の体(口腔内、性器、皮膚、消化管)で生息している常在菌の一種です。

普段は人の免疫力などによってカンジダ菌が過剰に増殖したりすることはないため、カンジダ症を発症することはありません。

ですが、過度な疲れやストレス、病気などによって、カンジダ菌の増殖を抑えていた免疫力が低下することによって過剰に増殖してしまい、カンジダ症を発症してしまいます。

参考元:カンジダ症

 

カンジダ症は男性にもうつる感染症ってホント!?

カンジダ症は女性の性感染症というイメージを持つ人は少なくありません。

ですが、このカンジダ症は男性も感染することがあります。

男性のカンジダ症は、カンジダ症を発症している女性と性交渉を通じて感染し、性器や尿道などに炎症を引き起こすことがあります。

特に男性が包茎の場合では菌の繁殖に適した環境となってしまうため、カンジダ症のリスクが高くなっています。

また、カンジダ症は性器だけでなく、オーラルセックスやキスなどによってカンジダが口腔内に感染する可能性もあります。

参考元:カンジダとは?

 

カンジダ症は人からうつされるだけではない!

既にお伝えしている様にカンジダ症の原因となるカンジダ菌は、人の体内にいる常在菌のひとつです。

そのため、カンジダ症は発症している人から感染してしまうだけでなく、自身の体内のカンジダ菌が増殖して発症するケースもあります。

過度のストレスや病気などで免疫力が低下していたり、生理前のホルモンバランスの乱れやステロイド薬の使用によって免疫力の低下している時に、カンジダ菌が増殖してしまい自己感染してしまうのです。

参考元:カンジダ症

 

カンジダ症の感染経路(感染原因)

様々な感染経路

カンジダ症はさまざまな経路で感染することがあります。

そのため、ここからはカンジダ症の感染経路について詳しく紹介していきたいと思います。

感染症の感染を防ぐために、感染経路を把握しておくことは非常に有効な対策法のひとつとなっているため適切に感染経路を把握しておきましょう!

 

体調変化による自己感染

カンジダ症の感染経路の中でも多いのが自己感染です。

既に何度もお伝えしているように常在菌であるカンジダ菌がさまざまな原因によって過剰に増殖してしまうことで、カンジダ症を発症します。

このカンジダ菌が増殖してしまう要因の一例は下記の通り

  • 生理前のホルモンバランスの変化
  • ステロイドの使用による免疫力の低下
  • 過度なストレス
  • 過度な疲れ
  • 他の疾患を原因とした体力や免疫力の低下

日常生活の中で、過度なストレスを感じていたり、疲れが抜けないままという方は特に注意が必要です。

 

デリケートゾーンの蒸れ(下着の締め付け)による自己感染

カンジダ症を発症する原因は免疫力の低下だけではありません。

ジメジメとして温かい環境はカンジダ菌が増殖するのに最も適した環境となっています。

下着の締め付けやおりものシートやナプキンなどの使用はデリケートゾーンが蒸れてしまい、意図せずに上記のようなカンジダ菌の増殖しやすい環境を作ってしまうケースは珍しくありません。

その結果、カンジダ症に自己感染してしまうことがあります。

参考元:お風呂でうつる?カンジダ症とは

 

抗生物質の服用による自己感染

病気の治療のために用いられる抗生物質ですが、この抗生物質がカンジダ症の感染原因となることがあります。

抗生物質の中にはデーデルライン桿菌と呼ばれる菌を減らしてしまうものがあります。

このデーデルライン桿菌というのは、膣内の環境を正常に保つ役割を持った菌であり膣内を常に弱酸性に保つことで自浄しています。

そのため、抗生物質によってデーデルライン桿菌が減少することで膣内環境が乱れてしまい、カンジダ症に自己感染することがあるのです。

参考元:腟カンジダ

 

ビデの使用・強い刺激

トイレの後にウォシュレット機能であるビデを使ったり、ペーパーでごしごしと拭くように強い刺激を与えて洗浄することで、カンジダ症を発症してしまうことがあります。

ビデやペーパーで綺麗に洗浄することは一見良いことに見えますが、過剰にしすぎるとデーデルライン桿菌を減少させてしまう場合があります。

その結果、カンジダ菌が増殖してカンジダ症を発症してしまうのです。

参考元:性器カンジダ症(Genital candidiasis)とは?

 

性行為による感染

カンジダ症を発症しているパートナーと性交渉することで、カンジダ症に感染してしまいます。

通常のセックスだけでなく、肛門を使ったアナルセックスでも感染する可能性があります。

カンジダ症は性器から性器へ感染するだけでなく、性器から肛門へ、肛門から性器へも感染するため、カンジダ症を発症しているパートナーとの性交渉は控える必要があります。

 

オーラルセックスでも感染する

セックスやアナルセックスでカンジダ症は感染してしまいます。

ですが、口を使ったオーラルセックスでもカンジダ症に感染する可能性はあります。

オーラルセックスの場合も通常のセックスやアナルセックスと同じように、口から性器性器から口へとカンジダ症は感染してしまうため、カンジダ症のパートナーとはオーラルセックスも控える必要があります。

 

キスで感染する可能性もある

口腔にカンジダ症が発症している場合、キスなどでもカンジダ症が感染する可能性があります。

特に、カンジダ症の症状が口腔内あらわれているような場合では、そのリスクは高くなります。

通常の性交やオーラルセックスなどと比べるとその可能性自体は低くなっていますが、感染リスクはゼロではないためカンジダ症のパートナーとのキスなども控えることが重要です。

参考元:カンジダ症

 

母子感染することはある?

妊娠時や妊娠中はカンジダ症の発症リスクは高まります。妊娠中のカンジダ症が体内の赤ちゃんへと感染することはありません。

ですが、カンジダ症を発症して治らないまま出産を迎えてしまうと、産道を介して母親から子供へカンジダ症を感染させてしまうリスクがあります。

また、出産後に母親や父親から子供へとカンジダ症を感染させてしまうリスクもあります。

参考元:妊娠中に腟カンジダになった場合、赤ちゃんに影響はありますか?

 

タオルなど共有しているものから感染

カンジダ症の感染経路は、自己感染や性的な接触、母子感染以外にもあります。

それが、共有物を介した感染です。

カンジダ症を発症している方が使ったタオルなどを感染していない人が使ってしまうことで、カンジダ症に感染するリスクがあります。

そのため、カンジダ症を発症している方が使用したタオルなどを使うのは控えるようにしましょう。

 

カンジダ症ってどんな症状があるの?

カンジダ症は性器や口、肛門などさまざまな場所で発症します。

では、それぞれの発症部位によってあらわれる症状に違いなどはあるのでしょうか?

ここからは、さまざまな場所で発症するカンジダ症の症状について詳しく紹介していきます。

 

膣カンジダにあらわれる症状

カンジダ症が膣で発症した膣カンジダの症状は下記の通り

  • 膣やその周辺のかゆみ
  • 粘度が高く白い酒粕状のおりもの
  • 膣のヒリヒリ感、熱感
  • 外陰部の発赤、発疹
  • 排尿痛
  • 性交痛

発症初期は痒みや白い酒粕状のおりものなどがあらわれやすいため、カンジダ症の感染に自身で気づけるというケースは珍しくありません。

参考元:膣カンジダってどんな症状?

 

舌・口腔にあらわれる症状

カンジダ症が口の中で発症した口腔カンジダの症状は下記のようなものがあります。

  • 舌や頬の裏に白い苔のようなものが付着する
  • 舌のピリピリ感
  • 舌の違和感
  • 味覚の障害
  • 口角の腫れ、切れ

口腔内に付着した白い苔のようなものを拭うと赤くはれたり、出血したり、痛みが出たりします。

参考元:口腔カンジダ症

 

陰茎にあらわれる症状

陰茎にカンジダが感染した場合、あらわれる症状としては

  • 亀頭や冠状溝の腫れ、赤み
  • 水ぶくれ
  • 白い苔のようなものの付着
  • 包皮がえぐれたりふやける
  • 痒み
  • 性器の違和感

といったものがあります。

女性と比べて男性がカンジダ症を発症する可能性は低いですが、絶対に感染しないというわけではないため、上記のような症状があらわれた場合には速やかに治療を行うようにしましょう。

参考元:男性の性器カンジダ症 原因と症状、検査・治療法

 

その他の部位のカンジダ症

カンジダ症は上記以外にも、皮膚は爪、食道で発症したりすることがあります。

それぞれの症状例は下記の通り

皮膚カンジダ

  • 境界がはっきりしない紅斑
  • 水膨れ
  • 軽い痒み

 

爪カンジダ

  • 爪の混濁
  • 爪の変色
  • 爪の変形
  • 爪周辺の炎症

 

食道カンジダ

  • 胸やけ
  • 嚥下痛や違和感
  • 胸のつかえ感
  • 胸のしみる感じ

 

カンジダ症は発症する部位によっても、症状は様々なので、上記のような症状に当てはまる場合はカンジダ症の可能性があります。

参考元:皮膚カンジダ症について

参考元:爪水虫について知る

参考元:食道カンジダ症

 

カンジダ症は完治する?

色々なおくすり

性交渉やさまざまな経路で感染してしまうカンジダ症。

そんなカンジダ症は治療すれば完治させることができるのでしょうか?

ここからは、カンジダ症の完治や再発に関する情報を紹介していきたいと思います。

 

カンジダ症は完治する感染症

カンジダ症の原因である、カンジダ菌は人の体内にいる常在菌であるため、一度カンジダ症を発症してしまうと完治させることができないのでは?と考える方は少なくありません。

ですが、ご安心ください!

カンジダ症は適切に治療することによって完治させることが可能です。

気になる治療法は、抗真菌薬を用いた投薬治療となります。

普通の錠剤の場合や、膣に挿入して投与する膣錠、塗布して使うクリームタイプなどさまざまなタイプの抗真菌薬が症状や発症場所に合わせて使われます。

 

女医

カンジダは抗真菌薬で治療することができます。カンジダの治療薬は通販サイトで購入できるのでコストを抑えて治療することができます!

 

参考元:腟カンジダは自然治癒する?検査・治療方法についても解説

 

カンジダ症は再発する?

カンジダ症は治療薬を用いることで完治させることができます。

ですが、常在菌であるということは、体調を崩した時に再発したりする可能性があります。

またパートナーがカンジダ症の治療をしていない場合には、パートナーからピンポン感染で再感染してしまうといった可能性もあります。

 

まとめ

こちらのページでは、性感染症の中でも女性に多いとされるカンジダ症について

  • どのような感染経路で感染するのか
  • 感染したらどのような症状がでるのか
  • 感染した場合の治療法

などの情報を紹介してきました。

数ある性感染症の中でも、カンジダは特に感染経路が多く、体調を崩して自己感染するという可能性もあるため、完全に感染を防ぐということは容易ではありません。

そのため、カンジダ症は予防することも大切ですが、感染した場合には感染を広げないようにしたり、速やかに治療を行って完治させたりすることが重要です。

そうすることで、感染を広げることなく自身も辛い思いをする期間を最小限に抑えることができます。