トリキュラーで血圧・血栓のリスクがあるのは本当!?
トリキュラーは、エストロゲン(エチニルエストラジオール)とレボノルゲストレルを含む低用量ピルであり、避妊効果が高い一方で、血圧や血栓症リスクへの影響が懸念されることがあります。
ここでは、低用量ピルによる血圧・血栓症に関するリスクについて解説します。
トリキュラーで血圧が上がる可能性
トリキュラーを服用することで、血圧が上がってしまう可能性があります。
トリキュラーなどの低用量ピルに配合されているエストロゲンが、ナトリウムと水分の貯留を促進し、血圧を上昇させる可能性があります。
健康な女性であればほとんど影響がない(もしくは、わずかに血圧が上昇する程度)ですが、トリキュラーを長期間服用する場合や、もともと高血圧の人では血圧上昇のリスクが高まると報告されています。
血圧が高い場合はトリキュラーを使えない?
トリキュラーを使うことで血圧が上昇してしまう可能性があるのなら、もともと血圧が高い方はトリキュラーを使うことができないのでしょうか?
実は血圧の状態によっては使えないことがあります。
以下の表を参考に、自分の血圧の状態を確認しておきましょう。
少しでも血圧に心配がある場合は、必ず医師から処方を受ける様にしてください。
使用することが できないケース | 中等度以上の高血圧症 (収縮期血圧 160 mmHg 以上,拡張期血圧 100 mmHg 以上の値を持続的に示す場合) |
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慎重投与が 必要になるケース | 軽度の高血圧症 (収縮期血圧 140~159 mmHg, 拡張期血圧 90~99 mmHg の症例) |
トリキュラーをやめたら血圧は下がる?
トリキュラーの服用で血圧が上がってしまったとしても服用を中止すると、徐々に血圧が元の状態に戻ることが多いとされています。
ただし、血圧が服用前の状態に戻るまでにかかる時間には個人差があります。
トリキュラーの重大な副作用「血栓症」のリスク
トリキュラーの副作用として、血栓症を発症することがあります。
血栓症とは血液が固まって血管を詰まらせてしまう疾患であり、命にかかわる疾患を引き起こす原因になる可能性があるため非常に危険です。
特にトリキュラーなどの低用量ピルの服用開始から3ヶ月以内は血栓症のリスクが最も高い期間と言われています。
血栓症を発症する確率が3倍以上!?
トリキュラーの非服用者と服用者の血栓症リスクは発展途上国で3.25倍、欧州では3.53倍と報告されています。
つまり、トリキュラー服用中の血栓症リスクは通常より3倍以上高くなります。
血栓症リスクが高まる条件
血栓症のリスクを高める要因として知られているのが「喫煙」、「肥満」、「年齢(40歳以上)」です。
そのため、トリキュラーを服用する方が上記の要因に該当する場合、服用が禁忌となるか、慎重な服用が求められます。
まとめ
ここまでに紹介してきたトリキュラーと血圧に関する情報をまとめたものがこちらです。
- トリキュラーの使用で血圧が上がることがあるが、多くは軽度
- トリキュラーの服用を中止すれば血圧は元に戻ることが多い
- 肥満・喫煙者・40歳以上の場合、血栓症のリスクが高くなる
これらのことから、血圧が高い人はトリキュラーを使用中に定期的な血圧測定を行ったり、血栓症リスクがある人は、低用量ピルの使用を避け、他の避妊法を検討するといったことが重要です。