【要確認】アフターピルで気を付けるべき副作用を徹底解説!
アフターピルは、避妊しなかった場合や避妊に失敗した場合に使用できる緊急避妊薬です。
望まない妊娠を避けることができる便利な薬ですが、医薬品であるからには副作用のリスクがあります。
今回の記事では、そんなアフターピルの副作用についてまとめています。
「どんな副作用があるの?」
「健康を大きく損なうことはある?」
といった不安がある方は特に、ぜひチェックしてみてください。
目次
アフターピルによってあらわれる主な副作用
では、さっそくアフターピルによってあらわれる主な副作用とは何か、見てみましょう。
これまでに複数の副作用が報告されていますが、ここではそれぞれの特徴を簡単にまとめています。
吐き気・嘔吐
吐き気を催すのは、アフターピルによる副作用のうち、特にあらわれる確率が高いものです。
ただし、吐き気を催した結果、実際に嘔吐に至るケースはそれほど多くありません。
代表的なアフターピルである「ノルレボ」の場合、嘔吐に至る確率は6%未満です。
参考元:緊急避妊・アフターピル
頭痛・片頭痛
頭痛や片頭痛もまた、よく見られる副作用のひとつです。
アフターピルの有効成分には、女性ホルモンのひとつ「プロゲステロン」と同じ作用を持つという特徴がありますが、プロゲステロンが体内で増えると頭痛の原因になります。プロゲステロンには血管の拡張を促す働きがあるため、頭部の血管が拡張して周囲を圧迫し、頭痛が発生すると考えられます。
参考元:生理痛に関するコラム①
乳房の張り、倦怠感
「乳房が張っているように感じる」
「全身がだるい倦怠感がある」
などの副作用が起きることがあります。
いずれもホルモンバランスの変化が原因で、急激な変化に体が慣れないために起こると考えられます。
その他にも、
- 傾眠(ウトウトするレベルの軽い意識障害)
- 腹痛などの胃腸障害
といった症状が見られますが、たいていは服用後24時間以内にはおさまるとされています。
ただし、詳しくは下で紹介していますが、四肢の脱力などが見られる場合、重大な副作用である「血栓症」の可能性がある点には注意しましょう。
少量の出血
アフターピルを服用して2週間以内に、少量の出血が見られることがあります。
出血の種類 | 出血の原因 |
消退出血 | 子宮内膜が剥がれて起こる出血 |
不正出血 | ホルモンバランスの変化などで起こる出血 |
という2パターンが考えられます。
ちなみに、このような出血はほぼ半数の人が経験する副作用です。
具体的には、消退出血と不正出血あわせて60%近くの人に見られます。
なお、消退出血はアフターピルによる避妊が成功したサインのひとつとされています。
肌荒れ
アフターピルは、体に大量の女性ホルモン(※)を投入することで妊娠を防ぎます。
(※正確には、女性ホルモンと同様の働きをする有効成分です)
結果的に、妊娠を防止すると同時にホルモンバランスを大きく変化させることになります。
これにより、肌荒れが副作用としてあらわれることがあります。
貧血・めまい
あらわれる確率は服用した人のうち5%程度なので、そんなに心配する必要はありません。
しかし、貧血やめまいによって意識が薄れたり体がふらついたりすることがあります。
特に車の運転や高いところでの作業などをしていると危ないので、アフターピルを服用した後は安静にすることを心がけましょう。
アフターピルの種類によって変わる副作用リスク
ひとくちに「アフターピル」といっても服用の方法は主に3パターンで、
- ノルレボ法
- ヤッペ法
- エラ
という種類があります。
それぞれの方法で副作用のリスクに違いはあるのか、まとめてみました。
アフターピルの種類によってリスクはどのぐらい変わる?
アフターピルの服用方法は、以下の3種類に分けられます。
- ノルレボ法…アフターピル「ノルレボ」を1回1錠飲む
- ヤッペ法…中用量ピルを2回に分けて2錠ずつ飲む
- エラ…日本未承認のアフターピル「エラ」を1回1錠飲む
副作用のリスク(あらわれる割合)は、それぞれの種類によって異なります。
ノルレボ法とヤッペ法の違いを表にまとめると、次のようになります。
ノルレボ法 | ヤッペ法 | |
吐き気 | 約23% | 約51% |
嘔吐 | 約6% | 約19% |
頭痛 | 約17% | 約20% |
下腹部痛 | 約18% | 約20% |
ちなみにエラの服用で副作用があらわれる確率は、「10人のうち1人」程度とされています。
参考元:アフターピルエラ(ella)の効果や副作用とは?服用時の注意点や値段も解説
【要注意】ヤッペ法では危険な「血栓症」リスクがある
上で紹介したように、ヤッペ法はノルレボ法やエラに比べて副作用リスクが高いですが、注意すべきポイントはそれだけではありません。
ヤッペ法で使用される中用量ピルとは、具体的には「プラノバール」という薬ですが、これには重篤な副作用として「血栓症」が報告されているのです。
血栓症は、
- 股関節から下の脚部が急激に痛んだり腫れたりする
- 突然の息切れに襲われる
- 胸の痛みがある
- 激しい頭痛がある
- 四肢の脱力や麻痺を感じる
- 言葉の発音がうまくできない(構語障害)
- 急激に視力が低下する
といった症状が見られるもので、放置すれば生命にかかわることもあります。
紹介した血栓症の症状があらわれた場合は、すみやかに病院を受診してください。
血栓症の次に気を付けなければならない副作用「吐き気」
アフターピルの副作用で特に気をつけなければならないのは、ヤッペ法を選んだ場合の重大な副作用である「血栓症」のリスクですが、次に気をつけるべきなのは「吐き気」です。
なぜ気をつけなければならないのか、詳しく解説します。
なぜ吐き気に気を付けないといけないのか?
単に「吐き気がある」だけでおさまった場合は、特に気をつける必要はありません。
しかし、「吐き気がして嘔吐してしまった」という場合は要注意です。
服用後、2時間以内に嘔吐した場合、アフターピルの成分が完全に吸収されていない可能性があります。
つまり、嘔吐と一緒にアフターピルの成分を体外に出してしまうことになるわけです。
本来、アフターピルの成分は2時間ほどかけて体内に吸収され、3時間後には濃度が最高になり、効果を発揮します。しかし2時間以内に体外に出てしまった場合、効果は十分に発揮されません。
効果が発揮されないということは当然、避妊効果が消えて妊娠のリスクが高くなるということです。
そのため、嘔吐してしまった場合はすみやかに病院を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。
嘔吐しないための対策法
嘔吐を我慢できれば良いですが、我慢できる自信がない場合はアフターピルと一緒に吐き気止めの薬を飲むのがおすすめです。
アフターピルと吐き気止めは併用しても問題ありません。
ただし、普段から何かしらの薬を飲んでいる場合は注意が必要です。
普段飲んでいる薬が、
- アフターピルとの相性が悪い
- 吐き気止めと相性が悪い
という場合、体調を崩す可能性があるためです。
そのため、併用に不安がある場合は事前に医師に確認しておきましょう。
アフターピルの副作用はいつまで続く?
アフターピルによる副作用のうち、よく見られる吐き気や頭痛など重大な副作用ではないものは24時間以内におさまるとされています。
ただし、24時間以上経っているのに副作用が続く場合、吐き気や頭痛など軽度なものであったとしても、何かしらの病気が原因になっていたりするケースも考えられます。
そのため、全然おさまらない場合は、病院で診察を受けるようにしましょう。
アフターピルの副作用に関する質問集
ここまでアフターピルの副作用についてまとめてきましたが、まだわからないことがあるという方もいるでしょう。
そこで、ここではアフターピルの副作用について「よくある質問」にお答えします。
Q.頭痛があらわれた時に頭痛薬は使っても問題ない?
アフターピルと頭痛薬の併用は問題ないとされています。
薬局やドラッグストアで購入できる市販の頭痛薬でも問題なく使用できるので、頭痛に悩んでいる場合でも手軽に対処できます。
「そうはいっても不安は残る……」という方は、あらかじめ医師に確認することをおすすめします。
Q.血栓症のリスクを下げる方法はありますか?
血栓症は、ヤッペ法(プラノバールを2錠ずつ2回に分けて服用する方法)で起こる可能性がある重大な副作用ですが、そもそもあらわれる可能性は非常に稀なので、それほど心配する必要はありません。
また、血栓症とは血液がドロドロになって血管をふさぐことで起こる病気であるため、普段から適度な運動で血行を促進させたり、水分補給をこまめに行って血液がドロドロになるのを防ぎましょう。
運動の際に大事なのは、下肢を積極的に動かすことです。
その他、長時間の座り仕事をしている場合、
- こまめに足首を回す
- 足をマッサージする
などで血行を良くすることも大切です。
Q.出血が起きたけど、大丈夫なのか不安です。
アフターピルの副作用として出血が報告されていますが、服用後2週間以内に起きる消退出血の場合、避妊に成功したサインのひとつであるため、そこまで不安に思う必要はありません。
ただし、不正出血は病気が原因のこともあるため、注意が必要です。
また、不正出血は消退出血と見分けがつかない(少量しか出ない)場合もあるため、判断できなくて不安な方は病院を受診しましょう。
Q.病院処方やオンライン診療とネット通販で処方してもらうアフターピルで副作用リスクに違いはある?
病院で処方してもらうアフターピルも、オンライン診療やネット通販(個人輸入)で購入できるアフターピルも、副作用のリスクに違いはありません。
ただし、ネット通販を利用する際、詐欺サイトのような悪質なところを選んだ場合、副作用のリスクが高い粗悪品をつかまされる可能性は考えられます。
とはいえ、そのようなサイトはごくごく一部であり、基本的には心配ないと考えて問題ありません。
Q.アフターピルは不妊になると聞いたけどこれは副作用?
確かにネットではそのような話が散見されますが、アフターピルの服用で不妊になることはありません。
科学的根拠は一切ない単なる噂でしかないため、心配無用です。
もちろんアフターピルの副作用として公式に出ている情報ではなく、不妊になったという報告もありません。
むしろ、噂を信じてアフターピルの服用をためらっているうちに妊娠してしまう可能性があり、そちらのほうが問題です。不安な方は、医師の専門的な説明を聞ける病院などで相談し、早めに購入しましょう。
まとめ
今回の記事では、アフターピルの副作用について解説しました。
アフターピルの副作用として特に多いのは、吐き気・嘔吐や頭痛、少量の出血や貧血・めまいなどです。
重大な副作用として血栓症が報告されていますが、そもそも起こる可能性はきわめて低く、一般的な方法である「ノルレボ法」であれば心配ありません。
また、吐き気が出て2時間以内に嘔吐してしまった場合、有効成分が体外に出てしまうため注意が必要ですが、嘔吐に至る確率は低いですし、吐き気止めを飲めば嘔吐は防げます。
副作用が心配な方には、よりリスクの低いノルレボやエラといったアフターピルが適しているといえます。
個人輸入なら安価に入手できるので、ぜひ検討してみてください。