超低用量ピルとミニピルの違いとは? それぞれの特徴を徹底解説します

超低用量ピルとミニピルの違いとは? それぞれの特徴を徹底解説しますピルは避妊や月経痛の症状緩和などさまざまな目的で服用されていますが、そうしたピルは中用量、低用量、超低用量、ミニピルといったようにいくつかの種類に分類できます。
それぞれの種類ごとに効果や服用方法、副作用などが違っています。
今回、こちらのページでは上記の中でも超低用量ピルとミニピルの違いについて詳しく紹介していきます。

 

超低用量ピルとは?

低用量ピル超低用量ピルは、低用量ピルより配合されているホルモン量が少ないピルになります。
具体的には低用量ピルがエストロゲンが0.05mgより少ないものであるのに対し、超低用量ピルはエストロゲンが0.03mgよりも少ないものを指します。
成分量が少ないため副作用が抑えられていますが、妊活や月経の調整、肌トラブル改善といった効果はしっかりあります。
まずはそんな超低用量ピルの効果や副作用についてみていきましょう。

参考元:低用量ピルの種類と使い分けについて

 

超低用量ピルの効果

超低用量ピルは国内では、月経困難症や月経不順の症状を緩和するために使われます。
また、ホルモンバランスが整うことで肌トラブルの改善やニキビの抑制にも効果にも期待できます。
 
また、海外では超低用量ピルの避妊に対する効果も認められているため、避妊を目的として使われていたりします。
超低用量ピルの持つ避妊効果は低用量ピルと同じで排卵を抑制しながら、子宮内膜の肥厚を抑えたり、子宮頚管粘液を粘性の高く変化させることで避妊します。
超低用量ピルも低用量ピルと同様に効果を最大限に発揮するために正しく服用する必要があります。

 

超低用量ピルの副作用

超低用量ピルはホルモン量が抑えられているため、副作用のリスクは低用量ピルよりも低くなっています。
しかし、リスクがゼロではないため、副作用があらわれる可能性はあります。
不正出血などは副作用の中でも特にあらわれやすいとされています。
 
また、超低用量ピルであっても重篤な副作用があらわれる可能性もあります。
重篤な副作用としては血栓症や肝機能障害、胆石形成といったものが報告されています。
超低用量ピルはホルモン量が少ないため、多くの人にとって使いやすい選択肢となりますが、副作用リスクがゼロではないため何かしらの症状があらわれた場合には、速やかに病院を受診したりするようにしてください。

 

ミニピルとは?

ミニピルミニピルも避妊効果があるピルの一種です。
こちらは有効成分としてプロゲステロンのみを配合したもので、エストロゲンを含まないのが特徴です。
一般的な低用量ピルはプロゲステロンとエストロゲンの両方を配合していますが、ミニピルは血栓症の原因となるエストロゲンを配合していないため、血栓症のリスクがほとんどありません。
ここからは、そんなミニピルの効果や副作用について詳しく解説していきます。

参考元:【医師監修】ミニピルとは?メリットや効果、飲み方や注意点を解説!

 

ミニピルの効果

ミニピルの主な効果は、妊娠を防ぐことです。
配合されているプロゲステロンが排卵を抑制して受精を防ぎます。
また子宮頸管粘液を変化させて、子宮内へ精子が進入するのを抑える効果もあります。
こうした作用が相乗的に働く事で妊娠を防ぎます。

 

ミニピルの副作用

ミニピルは一般的に安全性が高いとされていますが、副作用は全くないわけではありません。
よく見られる軽度の副作用として不正出血や乳房の張り、頭痛や体重増加などがあります。
初期段階で見られることが多く飲み続けることで体が適応し、症状がおさまるケースがほとんどです。
重篤な副作用としてホルモンの影響でうつ症状や気分変動が報告されることがあります。
また、肝機能への影響を与えたり卵巣嚢細胞が発生したりするリスクもごくまれにあります。
これらの副作用は個人差が大きいため、気になる症状があらわれた場合は医師に相談するようにしてください。
 
また、ミニピルはエストロゲンを含まないため、骨密度に対する影響が懸念される場合があります。
ミニピルの服用は比較的安全ですが、ほかの薬剤や持病との相互作用がある場合もあるため、医師の指示を守って定期的な健康チェックを受けることが推奨されます。

 

超低用量ピルとミニピルの違いとは?

ここまで超低用量ピルとミニピルの効果や副作用について解説してきましたが、それぞれは大きな違いがあります。
ここからは超低用量ピルとミニピルの違いについて詳しく見ていきましょう。

 

主成分の違い

超低用量ピルは、エストロゲンとプロゲステロンの2つの成分を含むのに対し、ミニピルはプロゲステロンのみを含みます。
このため、超低用量ピルはエストロゲンが体に与える影響を考慮し、ミニピルはエストロゲンによる影響はありません。

 

服用方法の違い

超低用量ピルは特定期間の間、毎日1錠を決まった時間に服用して休薬期間を設けることが一般的です。
休薬期間中に月経がおきます。
ミニピルも毎日決まった時間に1錠を服用することには変わりはありませんが、休薬期間がないのが特徴です。
また、いずれのピルも飲み忘れがあると効果が低下するため、飲み忘れが起きないようにすることが重要となっています。

 

副作用の違い

超低用量ピルの主な副作用には頭痛や吐き気、胸の張りなどがあります。
また、血栓症や高血圧のリスクが増加する場合があるため、これらのリスクがある人には使用が制限されたりします。
 
ミニピルはエストロゲンを含まないため、血栓症のリスクが低いとされています。
しかし、不正出血が比較的多く見られることが報告されています。
また、頭痛や胸の張り、体重の変動などの軽さの副作用があらわれる場合もありますが、エストロゲンが関与する副作用は避けられます。

 

使用対象者の違い

超低用量ピルはエストロゲンを含むため、エストロゲンに敏感な体質の人は服用できなかったりします。
また、喫煙者や肥満の人、高血圧や糖尿病を患っている人といった血栓症のリスクが高い人も服用できない場合があります。
一方でミニピルはエストロゲンが使えない方でも無理なく使うことが可能となっています。

 

効果の持続時間

超低用量ピルやミニピルの持っている避妊効果は、継続して服用し続けている間は避妊効果も持続し続けます。
ただし、飲み忘れなどがあったりした場合は、避妊効果も落ちてしまうため注意しましょう。
また、超低用量ピルやミニピルの服用を中止した後は、次第に効果が消失して再び妊娠することができるようになるため、ピルを服用したら一生妊娠できなくなることもありません。

 

まとめ

超低用量ピルとミニピルは避妊効果や月経不順・月経痛の改善など同様の効果があります。
しかし、主成分が異なり超低用量ピルはエストロゲンとプロゲステロンの2つの成分を含むのに対してミニピルはプロゲステロンのみを含みます。
そのため、ミニピルは血栓症といったエストロゲンによる副作用のリスクが非常に低くなっています。
 
しかし、効果の持続時間や避妊率などはミニピルのほうが低くなるため、服用する際には考慮する必要があります。
超低用量ピルとミニピルのどちらを服用すべきか迷っている人はこの記事を参考に自身に合ったピルを見つけてください。