低用量ピルを服用すると生理がこない?生理がこない原因や対処法についても解説
低用量ピルを服用していて、生理がこないと心配している人もいるのではないでしょうか。
一般的にピルは生理周期を整え、妊娠を防ぐために用いられますが、想定通りに生理が起こらない場合があります。
その場合に落ち着いて対応するためにも、理由や対処法を知っておくことは大切です。
この記事では、低用量ピルの服用と生理周期の変化について解説します。
ピルの服用期間中に生理が来た場合の原因と対応についても解説するため、低用量ピルを服用している人、これから服用を検討している人は参考にしてください。
目次
低用量ピルを服用したのに生理がこない?
低用量ピルを正しく服用している場合、基本的に生理はこなくなります。
低用量ピルに含まれている女性ホルモンが作用することで、排卵を抑制し、生理がこなくなるという仕組みです。
生理がこないことは低用量ピルの正常な反応であるため、問題ありません。
生理がこないことで心配になる人もいるかもしれません。
しかし、「生理がこない=妊娠している」と考えるのは尚早です。
低用量ピルを正しく服用すれば、排卵と生理が抑制されるため妊娠のリスクは限りなく低くなります。
そのため、生理がこないことに不安を感じる必要は基本的にありません。
ピル服用時の生理の期間はどのくらい?
低用量ピルを服用している間の生理期間は、通常の生理期間とほぼ変わりません。
休薬期間中に出血しますが、その期間はだいたい3~5日程度と、通常時と同じくらいの長さになるでしょう。
ただし、個人差があり、中には生理期間が少し短くなり、2~3日程度で終わる人もいます。
その理由として、ピル服用によって月経周期が安定するためです。
逆に、生理期間が長くなる人もいますが、そういった場合は別の原因が考えられます。
総じて、ピル服用時の生理期間はほとんど変わらないと考えてよいでしょう。
ただし、激しい生理痛や過多月経など、いつもと違った症状に気づいた場合は、医師に相談し、原因を確認することをおすすめします。
低用量ピルを服用したのに生理がこない理由
低用量ピルを服用して生理がこないことは珍しいことではないですが、ほかに理由がある可能性も考えられます。
妊娠の可能性や休薬期間の誤り、健康上の問題、ストレスなど、生理が停止する原因はさまざまです。
妊娠している可能性がある
低用量ピルを正しく服用していても、まれに妊娠してしまうケースがあります。
以下のような症状がある場合、妊娠の可能性を考える必要があるでしょう。
- 程度の発熱が続く
- 乳房の張りや痛みがある
- 吐き気やつわりに似た症状
- おりものが増加する
- 倦怠感や過度の眠気
- 食欲が変わる
- 目まいやふらつき
- 頻繁にトイレに行くことが増える
- 気分の波やイライラがある
低用量ピルの避妊効果は99.7%と高いものの、必ず避妊できるわけではありません。
避妊できない主な理由は、服用開始直後の性行為、あるいは毎日決まった時間での服用ができていないことが考えられます。
避妊に100%の効果はないということは、認識しておきましょう。
正しく休薬期間を設定できていない可能性がある
低用量ピルの服用において、正しく休薬期間を設定できていないことも生理がこない原因となります。
休薬期間は、出血を確認し妊娠していないかを判断する大切な期間です。
また、28日周期の服用管理もしやすくなります。
一般的に、休薬期間の2~3日目に出血(消退出血)があることが多いです。
休薬期間を正しく設けていないと、この出血が起こりません。
たとえば、休薬期間を飛ばしてピルを服用し続けていたり、期間の日数を間違えていたりした場合などです。
万が一、休薬期間明けに服用を忘れてしまった場合も対処が必要です。
1日遅れなら気づいた時点ですぐ飲めば問題ありません。
しかし、何日も遅れた際は避妊効果が低下している可能性があるため、コンドームの併用か性交渉の自粛、緊急避妊も検討する必要があります。
正しい休薬期間の設定が生理の正しい管理につながるのです。
病気の可能性がある
低用量ピルを服用中に生理がこない原因として、何らかの病気を患っている可能性も否定できません。
生理不順を引き起こす代表的な病気には、以下のようなものがあります。
- 甲状腺機能異常
- 卵巣機能不全
- 子宮内膜症
- 子宮筋腫
- 無月経症
甲状腺の異常は、生理不順の原因として有名です。
甲状腺ホルモンの分泌異常が起これば、月経周期に影響を及ぼします。
生理が遅れがちだったり、生理痛が酷くなったりする症状が出るでしょう。
また、生理が全くこない無月経の場合は、卵巣機能不全や子宮内膜症の疑いがあります。
子宮筋腫なども無月経の原因の一つです。
先天的な無月経症候群の場合や、ストレスによる一時的な無月経の場合もあります。
つまり、単に低用量ピルの影響だけでなく、さまざまな病気が生理不順の原因になっている場合があるのです。
3ヶ月以上生理がこないときは、医師に相談しましょう。
ストレスの可能性がある
生理がこない原因の一つとして、ストレスが関係している可能性があります。
過度なストレスは女性ホルモンのバランスを崩し、月経周期に影響を与えるためです。
また、生理の遅れや不順の場合にも、ストレスが影響していると考えられています。
ストレスが溜まると、脳から分泌される卵胞刺激ホルモンの分泌量が低下します。
このホルモンが十分でないと排卵が起こりにくくなり生理がこなくなってしまうのです。
ストレスの要因は、勉強や仕事の過剰な負荷、対人関係でのトラブル、環境の変化など、人それぞれ異なります。
自覚していないストレスに気づけず、生理不順に気づかないこともあるでしょう。
ストレスをうまく発散できず、長期間溜め込んでいる場合は、無月経や生理不順につながる可能性が高まります。
健康を守るためにも、日頃からストレス解消に努めましょう。
低用量ピルを服用したのに生理がこないときの対処法
低用量ピルを服用中に生理がこない場合、どのように対処すればよいのでしょうか。
適切な対処法を知っておくことは、予期せぬ生理不順に遭遇したときに不安を和らげる意味でも重要です。
ここでは、4つの具体的な対処法を紹介します。
妊娠していないか検査する
生理がこない理由の一つである妊娠の疑いがある際には、早急に確認することが重要です。
家で簡単に行える市販の妊娠検査薬を用いることで、尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を検出して妊娠しているかどうかを確かめられます。
使用方法は製品によって異なりますが、朝起きた直後の尿を使うとより正確な結果を得られることが多いです。
検査で陽性反応が出た場合は、より詳細な検査のために医療機関へ行きましょう。
一旦様子を見る
生活環境の変化や精神的なストレス、極端なダイエット、運動量の増加など、さまざまな要因が生理の一時的な停止を引き起こすことがあります。
これらは身体が新しい状況に順応しようとする過程で生じる自然な反応の一つです。
生理周期は非常に繊細であり、少しのバランスの変化でも影響を受けやすいため、こうした変化による生理不順は珍しくありません。
身体が通常の生理周期に戻るためには、バランスの取れた食生活を心掛けて定期的な運動を行うとともに十分な休息を取ることが大事です。
そのため、一旦様子を見ながら上記のような生活を心がけることで自然と改善するケースもあります。
医師に相談する
低用量ピルの服用中に生理がこない場合、医師に相談するのが賢明です。
生理が来ない原因がピルによるものなのか、ほかの要因によるものなのかを個人で判断するのは容易ではありません。
ですが、専門医に相談することで原因を特定することに繋がる場合も多いため、問題を改善するのに非常に役立ちます。
生理不順が長期化すれば将来的に不妊症のリスクも高まるため、早期の対処が肝心です。
医師への相談時には、詳しい症状や経過を正確に伝えることが大切です。
自分に合うピルを選び直す
低用量ピルの種類は複数あり、人によって合う合わないがあります。
生理不順の原因がピルである場合は、医師の指示のもとで自分に合ったピルへ変更するのが賢明でしょう。
ピルを変更する際には、避妊の徹底や副作用のリスクなども考慮する必要があります。
自分だけの判断で安易な変更は避けるとともに、各ピルの特徴をよく理解し、自身にとってメリットがあるものを選ぶことが肝心です。
ピルの服用期間中に生理がきたときの原因と対処法
ピルを服用している間に生理が起こるのは予想外かもしれませんが、一部の女性にとっては珍しくありません。
この場合、生理の発生原因を理解し、適切な対処法を知ることが重要です。
ピルの種類や服用方法、個人の体質などによって生理が起こる理由は異なることから、それに準ずる対処法も変わります。
ピルの服用期間中に生理がきたときの原因
低用量ピルを正しく服用していても、予定外の出血が起こることがあります。
主な原因として、消退出血が挙げられるでしょう。
ピル服用により一時的に月経周期が乱れ、出血する場合があります。
また、不正出血も原因の一つです。
ホルモンバランスの変化や、妊娠が原因で出血することも可能性も考えられます。
さらに、ピルとほかの薬やサプリメントの飲み合わせが影響し、出血が生じる可能性もあるでしょう。
ストレスや体調不良、服用のタイミングミスなども出血の要因となり得ます。
出血の量や期間によっては、別の疾患が潜んでいる可能性も無視できません。
また、生理による出血ではなく、性行為時に刺激で出血した可能性もあります。
ピルの服用期間中に生理がきたときの対処法
予定外の出血が起きた場合、まずは落ち着いて経過を観察することが大切です。
軽い出血であれば、そのままピルの服用を続けましょう。
量が多く持続する場合は、医師に相談をするのが賢明です。
原因を特定し、適切な対処法を立てる必要があります。
一時的な消退出血や不正出血であれば経過観察を、妊娠が疑われる場合は確定検査を行いましょう。
出血が薬の飲み合わせが原因であれば内服を控えたり、出血が続く場合は別のピルへ変更を検討したりするなど、医師の指示のもと柔軟な対応が求められます。
まとめ
低用量ピルの服用中に生理がこない理由は多岐にわたりますが、大半はピルの作用によるもので、特に心配する必要はありません。
しかし、妊娠の可能性や休薬期間の設定ミス、ストレスなどほかの原因が影響し、生理が停止している場合もあります。
生理が予定通りにこないときは、まず妊娠検査を行って様子を見るか医師に相談するなど対処するようにしましょう。
また、ピルの種類が自分に合っていない可能性もあるため、副作用や不正出血が気になる場合は医師と相談した上で最適なピルに変更することも検討しましょう。
生理について正しい知識を持ち、自分の身体と向き合うことが、健康的な生活を送るための第一歩です。
低用量ピルは通販で購入することができるようになり非常に身近なものになりましたが、ピルに関する知識や生理に関する知識は正しく持っていなければなりません。必要があれば医師に相談するようにしましょう!