ピルを服用するとバストアップするってホント?ピルの効果や副作用について

ピルを服用するとバストアップするってホント?ピルの効果や副作用について「ピルを服用するとバストアップする」と聞いたことがある人もいるでしょう。
実際、ピルを服用することでバストアップする可能性はあります。
しかし、ピルの服用によるバストアップは本来の効果ではないため、正しい知識をつけておく必要があります。
今回は、ピルの服用でなぜバストアップするのか、副作用や本来の効果と併せて解説します。

 

ピルでバストアップするってホント?

ピルの服用で本当にバストアップするのか、気になる人は多いでしょう。
そこで、まずは本当にバストアップするのかという疑問についてお答えします。

参考元:ピルで胸が大きくなるって本当?ピルとバストアップの関係や服用時の注意点

 

ピルでバストアップする可能性がある

ピルは服用することでバストアップする可能性があります。
これは、ピルに含まれるエストロゲンとプロゲスチンというホルモンが体内のホルモンバランスを変化させるためです。
エストロゲンは乳腺組織に働きかけて発達を促す効果があり、ピルを飲むとバストが張ったように感じる場合があります。
この作用によってバストアップする可能性があるわけです。
 
ただし、こうした効果には個人差があり、すべての人にバストアップ効果があらわれるわけではありません。
また、この効果は一時的なものである点や副作用のリスクも考慮する必要がある点に注意しておく必要があります。

 

バストアップはピルの副作用であるため3ヶ月程度で治まる

低用量ピルの服用開始から数週間~3ヶ月の間、ホルモンバランスの変化によって乳腺が一時的に膨張することがあります。
こうしたホルモンバランスの変化によるバストアップはピルの副作用の1つであるため、一時的な現象であることがほとんどです。
しかし、体がピルに慣れてくるとホルモンバランスは安定してバストの張りや大きさの変化もおさまっていき、3ヶ月ほどで元の状態へと戻ってしまいます。
ただし、バストの張りが長期に渡って続くような場合や痛みを伴うような場合は、バストアップ効果が続いているわけではなく、服用するピルが体に合っていない可能性が考えられるため医師に相談したりするようにしてください。

 

バストアップが目的でもピルは処方される?

ピルは処方されないバストアップのみを目的としてピルを処方してもらうことはできません。
低用量ピルは医薬品であり避妊や月経症状の改善、更年期症状の緩和など医学的な理由がある場合に処方されます。
また、ピルには血栓症や吐き気、頭痛などの副作用が懸念されるため、バストアップが目的の場合にはピルを処方される可能性は低いでしょう。

 

バストアップ以外にピルの副作用はある?

ピルはバストアップ以外にもさまざまな副作用があります。
ここでは、軽度の副作用と重度の副作用を分けて詳しく解説します。

参考元:ピルの服用でバストアップするって本当?副作用や病気の可能性について解説

 

軽度の副作用

ピルの代表的な副作用としては吐き気や頭痛、体重増加、むくみ、乳房の張り、不正出血などが挙げられます。
ピルを服用後、数週間から数ヶ月の間に体がホルモン変化に適応する過程で起こることが多いです。
特に、不正出血は初めてピルを服用する人に多く見られますが、通常は数ヶ月以内におさまります。
また、体重増加やむくみは、ホルモンの影響による一時的な水分保持が原因である場合が多いです。
 
これらの軽度の副作用は、ピルの種類や用量によって緩和される可能性があります。
症状が長く続く場合や症状が強い場合は、医師に相談して適切なピルに変更するといった対策をとりましょう。

 

重度の副作用

ピルには、まれに重度の副作用が発生するリスクがあります。
最も注意すべき重度の副作用が血栓症です。
ピルに含まれるエストロゲンは血液を凝固しやすくする性質があるため血栓症を引き起こす可能性があります。
血栓症の症状には突然の足の痛みや腫れ、胸痛、息切れなどが挙げられます。
これらの症状があらわれた場合は、速やかに医療機関を進行する必要があります。
 
また、ピルの使用はまれに高血圧や肝機能障害、胆石などが発症するケースもあります。
特に喫煙者や肥満、高血圧などの人はこれらのリスクが高まるため、服用前の健康状態を確認しておくことはとても大切です。

 

本来のピルの効果とは?

本来のピルは、以下のような効果があります。

  • 避妊
  • 月経困難症や月経不順の改善
  • 婦人科系疾患の予防
  • 肌トラブルの改善

ここではそれぞれの効果について詳しく見ていきましょう。

 

避妊

ピルを服用すると排卵が抑制され避妊効果を発揮します。
この排卵抑制効果はピルに含まれるエストロゲンとプロゲスチンによって、脳がホルモンの分泌を抑えることによって起こります。
また、ピルによって補われるホルモン量が少ないため、子宮内膜の肥厚が抑制されるため、受精卵ができたとしても着床ができずに妊娠の成立を阻止するといった効果もあります。
 
さらに、子宮頸管の粘液を粘性の高い状態へと変質させることで、精子が子宮へと侵入するのを防ぐことでも避妊します。
これらの作用が相乗的に働くことで99%以上という非常に高い避妊率を誇る避妊効果を発揮します。

 

月経困難症や月経不順の改善

ピルは、月経に伴う痛みや不快な症状の緩和に効果を発揮します。
ピルはホルモンの分泌を抑えることで、子宮内膜の肥厚を抑制します。
そのため、月経時に排出される子宮内膜そのものの量が少なくなるため出血量も抑えられます。
これによって生理痛などが軽減されるため月経困難症を改善されます。
 
また、ピルを服用することで月経周期を安定させることができます。
月経不順はストレスなどでホルモンバランスが崩れることで起こります。
そのため、低用量ピルでホルモンを一定量供給するようにすることで生理周期を正常化し、月経不順を改善します。
 
また、低用量ピルは特殊な服用方法を用いることで、生理開始のタイミングを早めたり遅らせたりすることも可能です。
この生理の移動は、スポーツ選手などは大会と月経が被らないようにピルで月経周期を調整することが可能です。
さらにホルモンバランスを安定させることでPMS(生理前症候群)の症状を緩和する効果もあるため、低用量ピルは非常に幅広い効果に期待できるようになっています。

 

婦人科系疾患の予防

ピルを服用することは、一部の婦人科系疾患の予防にも役立ちます。
以下で代表的な疾患と、それぞれに対するピルの働きを詳しく解説します。

 

卵巣がんのリスク軽減

ピルの継続使用により、卵巣がんの発症リスクが低下することが研究で示されています。
ピルは排卵を抑制するため、卵巣がんの発生に関与する卵巣表面の保護効果があります。
保護効果はピルを服用した期間に応じて対応し、服用を中止したあとも暫定的に継続することが確認されています。
5年以上の服用で、巣卵がんのリスクが半減した場合のデータもあります。

 

子宮体がんのリスク軽減

子宮内膜の過剰な増殖は子宮体がんの原因の1つです。
低用量ピルに含まれるプロゲスチンは子宮内膜の増殖を調節し、がん化のリスクを軽減します。
特に肥満など子宮体がんリスクが高い方にとって、このリスク軽減効果は非常に重要です。

 

肌トラブルの改善

ホルモンバランスの乱れが原因で起こるニキビや脂性肌に対しても、低用量ピルは効果があります。
低用量ピルを服用してホルモンバランスが整えられることで、肌トラブルの原因を改善できるためです。
また、月経周期に伴うホルモン変化で悪化する肌荒れにも効果があります。
ピルを飲むことでホルモンバランスが一定に保たれるため、肌の状態が安定しやすくなります。

 

まとめ

ピルを服用することでバストアップすることはあります。
ただし、このバストアップはあくまでもピルの副作用の一部であり、この効果は多くの場合3ヶ月ほどでおさまります。
そのため、バストアップが目的でピルを服用するのは危険です。
避妊や月経困難症、月経不順の改善などがピルの本来の効果であるため、こうした目的以外での使用はできる限り避けるようにしましょう。