これって片頭痛?片頭痛の前兆や症状を知って正しい治療をしよう!

これって片頭痛?片頭痛の前兆や症状を知って正しい治療をしよう!多くの人を悩ませる片頭痛。
この片頭痛は頭の痛みだけでなく、さまざまな症状があらわれるケースがあります。
そこで、こちらのページでは片頭痛の各種症状や片頭痛があらわれるかもしれないという特徴的な前兆についても紹介していきます。
 
片頭痛の前兆や予兆などを適切に把握しておくことで、片頭痛対策をより容易に行うことが可能となります。
また、片頭痛の原因や治療法などについても紹介していくので、片頭痛に悩まれている方は是非参考にしてください。

 

片頭痛の症状って?

多くの人を悩ませる片頭痛ですが、実際の片頭痛の症状というのはどういったものなのでしょうか?
適切に片頭痛の症状を把握しておくことによって、自分では片頭痛と思っていたけど、実は片頭痛じゃなかったと気が付けたり、実は片頭痛だったと気づけたりすることができるようになります。
片頭痛は治療できる時代となっています。
そのため、まずは頭痛に悩んでいる場合は、その頭痛が片頭痛であるかどうかの確認を行うようにしましょう!

 

頭痛が重い

重い頭痛片頭痛の痛みはひどくなると、「何もする気に慣れないほど痛い」「横になって休みたいほど痛い」と感じてしまいます。
日常生活の中で欠かすことができない仕事や家事といったことをすることができなくなってしまうほどの重い痛みがあらわれるため、生活の質が片頭痛によって大きく低下してしまうことは珍しくないのです。
また、この片頭痛は体を動かしたり、頭を動かすことで痛みが悪化するので、頭痛があらわれた場合は頭を振ったり、体を動かしてみることで片頭痛かどうかを判断することも可能です。

 

吐き気・嘔吐・下痢を併発する

吐き気頭痛の中でも、片頭痛の場合は頭の痛みだけでなく、吐き気や嘔吐、下痢といった消化器系の症状が同時にあらわれる場合があります。
これは、片頭痛が頭痛だけでなく消化器系へも影響を及ぼすためです。
そのため、頭の痛みと共に吐き気などの症状があらわれたことがあるという場合は、片頭痛の疑いが強くなります。
もちろん、片頭痛の際に上記のような消化器症状があらわれないという方もいるので、消化器症状がないからといって片頭痛ではないというわけではない点には注意が必要です。

 

光・音・においに敏感になる

まぶしい片頭痛は吐き気や嘔吐といった消化器症状以外にも、光や音、においに敏感になったりするケースがあります。
光や音などに敏感になってしまうため、少しでもそうした刺激から解放されようと静かな暗い場所でゆっくりと休みたいと考えてしまうケースは珍しくありません。
そのため頭痛が出る際に光や音などに敏感になっているという実感があるような場合には片頭痛の疑いがあります。

 

脈打つような痛みがある

ズキン片頭痛の症状にはいろいろな特徴がありますが、痛みの種類にもこの特徴があります。
片頭痛になると実際にどのような痛みがあらわれるのかというと、ズキンズキンと脈を打つように痛みが押しては引きというのを繰り返します。
片頭痛の痛みは、頭の血管が三叉神経からの刺激によって収縮し、それが広がって血流が増えることで血管周辺の神経を圧迫して起きます。
そのため、血液が拍動するタイミングで神経をより圧迫してしまうため、脈を打つようにズキンズキンとした痛みがあらわれるのです。

 

頭の片側だけが痛い

片頭痛片頭痛の症状である頭痛の特徴は脈を打つようにズキンズキンと痛むといったものの他に、頭の片方側だけに痛みがあらわれることが多いという特徴があります。
頭の片方に痛みがあらわれるから片頭痛といった名称になったとも言われています。
人によっては片方だけでなく頭部全体に痛みが及ぶ場合もありますし、後頭部に痛みがあらわれるといった場合もあります。
 
特に子供の場合は、両側に頭痛がみられることが多いです。
そのため、頭全体が痛いから片頭痛ではないといった判断をしている場合、実は片頭痛で判断が間違っているという場合もあります。

 

片頭痛の特徴的な「前兆」

片頭痛はさまざまな症状があるだけでなく、片頭痛があらわれるという前触れである「前兆」の症状がいくつかあります。
そのため、前兆があらわれたような場合には、速やかに対策を行うことで片頭痛の痛みに悩む時間を最小限に抑えるといったことも可能となります。
ここからはそんな片頭痛の前兆について、いくつか代表的なものを紹介していきたいと思いますので、是非お役立てください。

 

視野の違和感

閃輝暗点片頭痛の前兆として、代表的なものが視野の中にギザギザした光の波ができたり、視野の一部が欠けたり、目の前が光でチカチカしたりといったものになります。
この前兆があらわれるということはその後に片頭痛があらわれる可能性が高いということなので、視界にキラキラした光の波やギザギザした光があらわれたという場合には、片頭痛薬を準備するといった対策を行うことが可能となります。

 

身体の片側が痺れる

半身の痺れ片頭痛の前兆症状には、上記の閃輝暗点と呼ばれるもの以外に身体の痺れもあります。
この痺れも片頭痛と同様に体の片側だけに痺れがあらわれるというものになります。また、痺れまで行かずとも力が抜けたような脱力感を感じるという場合もあります。
こうした体の痺れや脱力感といった前兆症状は片頭痛があらわれる時には必ずあらわれる症状というわけではありません。
そのため、こうした症状を感じることなくいきなり片頭痛の症状があらわれる場合もあります。

 

言語障害

言語障害片頭痛の前兆となる症状には「言語障害」というのもあります。
この前兆症状は発生する可能性自体は非常に低いものですが、こうした症状があらわれてしまう可能性があるということは覚えておくことは非常に重要です。
あらわれる症状の内容としては、会話の内容に問題があらわれるような失語症があります。
片頭痛の前兆としてあらわれるケースが多いのはこちらです。
しかし、失語症以外に会話に問題はないものの、呂律が回らなくなってしまうような症状があらわれる場合があります。

 

片頭痛の特徴的な「予兆」

片頭痛は上記のような前兆症状の他に、更に前にあらわれる予兆があらわれる場合があります。
そのため、片頭痛の前兆としてあらわれる症状だけでなく、予兆としてあらわれる症状についても把握しておくことによって、より的確に片頭痛を予防したりすぐに対策を行うことができるような状態を整えておくといったことが可能です。
基本的にこの予兆は片頭痛の発作の2日前に出現することが多いとされています。

 

疲労感・首や肩がこる

肩を押さえる女片頭痛の予兆には興奮系と抑制系の2系統ありますが、抑制系の予兆としてあげられる症状として「疲労感・首や肩のコリ」があります。
この疲労感・首や肩のコリといった予兆は、一気に重い症状があらわれるといったようなことはありません。
そのため、何となく普段とは違うといった程度の症状があらわれるため、片頭痛の予兆が出ているといったことに気づくことがない場合もあります。

 

眠気・あくび

あくび片頭痛があらわれる予兆の中でも興奮系の症状としてあげられるのが「眠気・あくび」です。
普段よりもあくびが良く出てしまう、眠気を強く感じてしまうといった症状であり、普通の睡眠不足と間違えてしまうというケースは珍しくありません。
眠けやあくびといった症状が、片頭痛の予兆として認識している方も少ないことから、予兆であることにすら気づかないというケースも珍しくありません。

 

集中力減退・食欲減退

最後に紹介する片頭痛の予兆は「集中力減退・食欲減退」といったものになります。
集中力の低下や食欲の減退といった症状についても、これまで紹介してきた予兆の症状と同様に、意識をしなければ気づくことができないほどのものとなっています。
そのため、予兆に気づかずに前兆があらわれて片頭痛があらわれてしまう場合がある点には注意が必要になります。

 

片頭痛の原因を把握しておこう!

さまざまな予兆や前兆症状がある片頭痛ですが、そもそも片頭痛はどのような原因によって起きるのでしょうか?
ここからは、多くの人を悩ませている片頭痛が起きてしまう原因について紹介していきたいと思います。
片頭痛の原因として考えられていることは複数あり、その複数の原因が組み合わさることで起きると考えられています。
そのため片頭痛が起きてしまう原因を適切に把握することによって、片頭痛の原因を取り去って辛い片頭痛の悩みを改善へと導きましょう!

 

原因が完全に明らかになっているわけではない

三叉神経片頭痛の原因として考えられているのが三叉神経への刺激です。
この刺激の原因として

  • 心身のストレス

  • 食事や飲み物

上記のようなことが原因として考えられているものの、全ての原因が完全に解明されているというわけではありません。
そのため原因と考えられていることをひとつ対策するだけで大きな効果を得ることができる方もいれば、あまり効果がないという場合もあります。
ですが、その場合でも複数の原因に対して対策することで効果を得ることできる場合もあります。

 

心身のストレス

ストレス片頭痛の原因のひとつとして考えられているのが「心身のストレス」です。
ストレスが強くかかってしまうと、片頭痛とは別の「緊張型頭痛」といった頭痛を引き起こしてしまいます。
しかし、厄介なことにストレスから解放された後に片頭痛が起きてしまうおそれがあります。
 
これは、ストレスによって血管が強く収縮してしまうことから解放されることで血管が広がって、神経を圧迫してしまう場合があるためです。
ストレスを受けないようにすること自体は容易ではないため、ストレスをこまめに発散する方法を発見することが重要な対策になります。

 

大量の頭痛薬片頭痛から発展する頭痛のひとつに「薬剤性頭痛」があります。
これは片頭痛などに対して頭痛薬を普段から過剰に常用したりしている場合、頭痛薬の効果を感じにくくなってしまうだけでなく、頭痛の症状が悪化してしまいます。
また、頭痛自体が慢性化してしまいます。
そのため、片頭痛があらわれた時の対策としてではなく、片頭痛が起きないようにするための予防として頭痛薬を常用しているというような場合には、注意する必要があります。

 

食事や飲み物

チョコ、チーズ、かんきつ類片頭痛の原因のひとつとして考えられているもののひとつに食事や飲み物があります。
そのため、食事や飲み物に気を付けることでも片頭痛を予防したりすることが可能な場合もあります。
 
片頭痛の原因として考えられているのが「チラミン」と呼ばれる成分で、チョコレートやチーズ、かんきつ類に含まれています。
また、飲み物では赤ワインなどに含まれています。
このチラミンは血管を収縮させる作用があり、チラミンを含む食後に血管が収縮し、そのあとに血管が元に戻るタイミングで片頭痛が起きると考えられています。

 

片頭痛の治療方法

さまざまな原因によって起きてしまう片頭痛だからこそ、さまざまな対策を取り入れることが有効です。
しかし、対策をしていても片頭痛が起きてしまう可能性は少なからずあるため、片頭痛は起きないようにする対策だけでなく起きてしまった場合の適切な治療法についても把握しておくことが大切です。
ここからは、そんな片頭痛が起きてしまった場合の治療方法について紹介していきたいと思いますので、片頭痛に悩む方は是非、参考にしてみてくださいね。

 

一般的な対策方法

安静にする女性片頭痛が起きてしまった場合にはいろいろな対策法があります。
その中でも誰でもできる方法のひとつが「暗く静かな場所で安静にする」というものです。
 
そして、もうひとつの方法が治療薬を用いるという方法です。
片頭痛の症状は体を動かしたり、明るい部屋にいることによって、酷くなってしまうといった場合があります。
そのため、暗く静かな場所で安静にして体を休ませるというのは、非常に有効な片頭痛の対策法のひとつといえます。
ただ、この方法では速やかに痛みが治まるというケースはそこまでないため、辛い痛みを改善するためにも治療薬を用いることはとても重要な対策といえます。

 

発作治療薬を使う

薬を飲む片頭痛の対策として、一般的な方法なのがこの「発作治療薬を使う」というものです。
軽い痛みであれば頭痛薬として市販されているような治療薬を服用することで、痛みをスムーズに緩和・改善することができます。
薬局で簡単に市販の鎮痛薬を購入できるため、非常に手軽になっています。
 
しかし、痛みが治まらないから・痛くなりそうだからといって服用回数がどんどん増えて逆に頭痛を起こしてしまうことがあるので注意が必要です。
市販の薬を飲んで頭痛がよくならない場合は片頭痛専用の薬があります。
頭痛が続く場合は、病院に相談してみましょう。

 

予防治療薬を使う

予防治療薬を使う片頭痛の治療法には片頭痛の発作が起きてしまったら、頭痛薬や安静にするといった方法があります。
ですが、片頭痛の発作そのものが起きないようにする予防治療薬を使うという方法もあります。
これは、塩酸ロメリジン(Ca拮抗薬)やバルプロ酸(抗てんかん薬)、プロプラノロール(抗不整脈薬)など他の用途で使用している薬ですが、片頭痛の予防に効果があるとされています。
また、最近では片頭痛予防のために作られた注射もあります。
 
予防治療薬は辛い片頭痛の発作が起きないようにする対策が可能です。
こうした予防治療薬の中には妊婦の方でも安心して使えるタイプのものもあるので、普段薬を使えず我慢することが多い妊婦の方でも無理なく片頭痛を対策するといったことが可能です。

 

まとめ

こちらのページでは片頭痛の症状であったり、片頭痛が起きる前の前兆や予兆、そして治療のための方法について紹介してきました。
多くの人を悩ませる片頭痛ですが、適切に対策や治療を行うことで、片頭痛そのものを起きないように予防することができたり、片頭痛が起きたとしてもスムーズに痛みを改善することが可能です。
また、片頭痛の予防には治療薬を用いる以外に、原因となるものを解消していくことも非常に有効です。
こちらのページではそんな片頭痛の原因についても紹介してきたので、片頭痛を原因そのものから改善していくようにしてみてはいかがでしょうか?

 

監修者情報

脳外科 白水寛理

  • 医師

    白水 寛理(しろうず のりとし)

  • 所属学会

    日本脳神経外科学会 専門医・医学博士

  • 経歴

    2011年に長崎大学医学部を卒業。九州中央病院で初期研修行にあたったのち、九州大学病院・ 九州医療センター・九州病院など、複数の病院で脳神経外科として従事。その後、九州中央病院 脳神経外科 医長を経て、2023年10月よりしろうず脳神経外科を開業。おもに頭痛、めまい、もの忘れを中心に日々外来診療を行い、地域医療に従事している。