片頭痛は冷やすとよい?痛みを和らげる方法をご紹介!
「片頭痛は冷やすと治る」と聞いたことがある人もいるでしょう。
急に起こる片頭痛は仕事や勉強などに集中できなくなることもあるため、適切な対処法を把握しておくことが大切です。
今回は、片頭痛は冷やすと治るのかいくつかの対処方法と併せて解説します。
また予防方法についても紹介するため、片頭痛に悩む人はぜひ参考にしてください。
片頭痛が起きるきっかけ
片頭痛は、日常生活のさまざまな要素がきっかけとなり起こります。
以下は、片頭痛が起きるきっかけとなり得る要素の一例です。
心身に関連したきっかけ | 女性ホルモンの変化(排卵・産後・月経・更年期)、寝すぎ、寝不足、肩こり、脱水、空腹、ストレス |
環境に関連したきっかけ | 強いにおい、強い光、騒音、人混み、天気・湿度・気温の変化など |
食べ物に関連したきっかけ | アルコール、ナッツ、チーズ、チョコレート、柑橘類など |
片頭痛のきっかけは人によって異なるため、何をすると片頭痛が起きやすいのか日頃から記録しておくとよいでしょう。
片頭痛は冷やすと治る?
日常生活のさまざまな要素によって起きる片頭痛は冷やすと治ると聞いたことがある人もいるでしょう。
ここからは、片頭痛が冷やすことで治るのか詳しく解説します。
冷やすことで痛みが和らぐ可能性がある
結論からいうと、片頭痛は頭を冷やすことで痛みが和らぐ可能性があります。
片頭痛は、ストレスや強い光などのさまざまな要素によって脳の血管が広がることで、脳神経(三叉神経)が刺激されて痛みが生じると考えられています。
そのため、頭を冷やして血管を収縮させれば、片頭痛の痛みが和らぐ可能性があるのです。
また、冷却によって炎症性メディエーターの放出が抑制されるともいわれています。
炎症性メディエーターは炎症反応に関与する化学物質の総称であり、片頭痛の原因の1つであるといわれています。
片頭痛が起きた際は、まず頭を冷やすのがおすすめです。
片頭痛の際の冷やし方
片頭痛の際に頭を冷やす際には、痛みを感じる部分に冷たいタオルや氷枕、保冷剤などを当ててください。
氷枕や保冷剤はタオルを巻き、患部を冷やしすぎないようにするのがポイントです。
また、片頭痛が起きたときに体を温めるのは避けましょう。
体が温まることによって血管が拡張し、さらに頭が痛くなる可能性があります。
入浴やマッサージ、運動など体が温まる行為は避けて患部を冷やすことが大切です。
冷やす以外にも!片頭痛を和らげる方法
片頭痛は、冷やす以外にも痛みを和げる方法があります。
ここでは、片頭痛を改善するための4つの方法を紹介します。
状況に応じて使いわけたり併用したりすることで、片頭痛による不快な痛みを軽減できるでしょう。
安静にする
片頭痛の痛みを感じたら、落ち着ける環境で安静に過ごしましょう。
無理に体を動かすと血管が拡張して痛みが増す可能性があります。
また、個人差はありますが強い光や音によってさらに痛みが増すケースもあるため、暗く静かな場所で過ごすのがおすすめです。
可能であれば、横になって仮眠をとるとよいでしょう。
寝ることによって血管の拡張が収まり、痛みが改善する可能性があります。
仮眠をとるのが難しければ、椅子に座って安静にするだけでも問題ありません。
目を閉じ、気持ちを落ち着けてゆっくりとした時間を過ごすことが大切です。
薬を服用する
片頭痛は、薬局やドラッグストアで販売している解熱鎮痛剤を服用することで改善する可能性があります。
解熱鎮痛剤を選ぶ際は、「イブプロフェン」や「アセトアミノフェン」を主成分としているか確認しましょう。
解熱鎮痛剤を服用する際には、パッケージに記載された用法・用量を守ることが大切です。
また、片頭痛の痛みがひどいときは、「トリプタン系薬剤」を服用してみましょう。
トリプタン系薬剤は血管の拡張を元に戻し、痛みを抑える作用があります。
ただし、市販薬ではないため、医師から処方してもらう必要があります。
片頭痛の悪化が見られる場合は、医師に相談して適切な処置をしてもらいましょう。
カフェインをとる
軽度の片頭痛は、カフェインを摂取することで改善する可能性があります。
これはカフェインが持つ血管収縮作用により、片頭痛の原因となる血管の拡張を抑えられるためです。
カフェインを含む飲み物としてはコーヒーや紅茶、緑茶、ウーロン茶などが挙げられます。
ただし、カフェインを摂取しすぎると寝不足やイライラ、脱水などさまざまな症状を引き起こす可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
また、人によってはカフェインを摂取することで頭の痛みが悪化することもあります。
まずは少量のカフェインを摂取して様子を見るようにしましょう。
頭のツボを押す
片頭痛は、頭のツボを押すことで和らぐ可能性があります。
片頭痛に効くといわれているツボは、以下の通りです。
ツボ | 場所 |
頷厭(がんえん) | こめかみ付近の髪の生え際にあり、咀嚼をする際に動く部分 |
百会(ひゃくえ) | 頭頂部の窪みがある部分 |
風池(ふうち) | 髪の生え際付近、後頭部の窪みと耳の後ろの尖った骨の中間にある部分 |
肩井(けんせい) | 肩先と首の後ろの付け根にある部分 |
天柱(てんちゅう) | 後頭部の生え際、首から頭かけて伸びる2本の筋肉の外側にある窪んだ部分 |
ツボを押す際は息を吐きながら10秒ほど押し、ゆっくりと指を離すのがポイントです。
何回か繰り返してツボを押し、安静に過ごすようにしてください。
どれだけ気をつけていても、片頭痛はふとしたときに発生してしまうものです。
痛みの改善を期待できる薬を常備したりツボの場所を把握したりしておけば、片頭痛を感じたときにすぐ対処できるでしょう。
片頭痛の予防方法
重度の片頭痛になると仕事や勉強が手につかなくなり、日常生活に支障をきたすケースもあるでしょう。
片頭痛に悩まされないためには、予防策を取り入れることが大切です。
ここでは、片頭痛を防ぐのに役立つ3つの方法を紹介します。
ストレスを溜め込まない
ストレスは、片頭痛を引き起こすきっかけになるといわれており、なるべく溜め込まないようにすることが重要です。
定期的にストレスを感じる環境から離れることを意識し、自分に合ったストレス解消法を取り入れましょう。
こまめにストレスを解消することで、心身に悪影響を及ぼすのを防げます。
また、生活習慣が乱れているとストレスが溜まりやすくなるため注意が必要です。
栄養バランスがよい食事や適度な運動を取り入れて生活習慣を整えましょう。
なお、適度な運動はストレス解消にもつながるので、日常生活のなかで体を動かすことを意識することが大切です。
睡眠不足・寝すぎに気をつける
片頭痛が起きやすい人は、睡眠に関する問題を抱えているケースが多いといわれています。
睡眠不足だけでなく寝すぎも片頭痛を誘発する原因になるため、良質な睡眠を適度な時間とるようにすることが大切です。
一般的に、適切な睡眠時間は1日7~9時間とされています。
寝る時間と起きる時間を一定にして規則正しい生活を心がけましょう。
布団に入ってもなかなか寝つけないという人は、お風呂から上がったあとにマッサージをするのがおすすめです。
血流が促進されて寝つきがよくなるといわれています。
片頭痛を誘発する食べ物・飲み物に気をつける
片頭痛のきっかけとなり得る食べ物・飲み物にも注意する必要もあります。
例えば、赤ワインをはじめとしたアルコールは血管を拡張し、片頭痛を悪化させる可能性があります。
特に赤ワインは血管を拡張するポリフェノール、痛みに関与するヒスタミンなどが含まれているため過剰摂取には気をつけましょう。
また、ソーセージやサラミ、ハムなど亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)を含む食べ物も要注意です。
亜硝酸塩は脳への血流増加を促進する作用があり、片頭痛の原因になる可能性があります。
加工肉を購入する際は、亜硝酸塩が入っていないか成分表示を確認するとよいでしょう。
まとめ
片頭痛は、重症化すると日常生活に支障をきたす場合があるため早めの対処が必要です。
片頭痛を感じたら、まずは痛みのある部分を冷やして血管の拡張を抑えるようにしましょう。
ほかにも、薬を服用したりツボを押したりしながら暗く静かな場所でゆっくり過ごすことも大切です。
また、普段から「ストレスを溜め込まない」「良質な睡眠をとる」などの予防方法を意識するとよいでしょう。
片頭痛がひどい場合は医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。