シアリスと風邪薬は併用できる?併用する注意点も解説!

シアリスと風邪薬は併用できる?併用する注意点も解説!ED(勃起不全)に悩む男性のなかには、シアリスを服用しつつ日常生活を送りたいと考える人もいるでしょう。
しかし、シアリスとほかの薬を併用することで、思わぬ副作用が生じる可能性があります。
特に、風邪薬との併用について不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
 
そこでこの記事では、シアリスの効果や副作用、併用に関する注意点を詳しく解説します。
硝酸剤やグレープフルーツとの相互作用についても触れるため、シアリスの服用を検討している人や、すでに使用している人は、ぜひ参考にしてください。

 

シアリスとは?

シアリスは、ED(勃起不全)治療薬として広く知られています。
その効果と副作用について詳しく見ていきましょう。
シアリスの特徴を理解することで、より安全に使用することができます。

 

シアリスの効果

シアリスは、勃起の促進や勃起を維持する効果を持つED治療薬です。
主成分であるタダラフィルはPDE-5(ホスホジエステラーゼ5)という酵素を阻害することで、血流を促進して正常な勃起を実現します。
シアリスは、ED治療薬のなかでも効果が持続する時間が長く、最大で36時間に及ぶのが特徴です。
 
また、効果のあらわれ方が緩やかであるため、副作用リスクが他のED治療薬と比べて低いことも特徴となっています。
ただし、シアリスは性欲そのものの向上や性感染症(性病)の予防効果はない点を覚えておく必要があります。

 

シアリスの副作用

シアリスを服用した場合、副作用があらわれる可能性があります。
顔のほてり、鼻づまり、目の充血、頭痛、動悸などが代表的な軽度の症状です。
これらの副作用は一時的であり、服用後数時間以内に治まることが多いです。
症状の重篤化はあまりないですが、稀に長時間続く勃起や視覚障害といった深刻な副作用が報告されているため、注意が必要です。
 
ほかのED治療薬と比較すると、シアリスは副作用がやや軽いとされています。
ただし、副作用のあらわれ方には個人差があり、症状が強くあらわれたり、気になる症状が続いたりする際には医師に相談してください。

 

シアリスと風邪薬は併用しても大丈夫?

風邪薬シアリスと風邪薬の併用する際には、風邪薬に含まれる成分によって併用できない場合があるため注意が必要です。
たとえば、硝酸剤が含まれる風邪薬はシアリスとの併用ができません。
併用できない風邪薬とシアリスを併用してしまうと、心筋梗塞や低血圧など重篤な副作用があらわれる危険性があります。
こうしたリスクを抑えるためには、医療機関からシアリスを服用される際に現在使用している薬を医師に伝えましょう。

 

シアリスと併用してはいけない薬

シアリスを安全に使用するには、併用を避けるべき薬があります。
特に注意が必要なのは、硝酸剤とsGC刺激剤です。
これらの薬との相互作用について詳しく見ていきましょう。

 

硝酸剤

硝酸剤は、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患の治療に用いられる血管拡張薬です。
代表的な薬にはニトログリセリンや硝酸イソソルビドがあり、これらは一酸化窒素供与剤(NO供与剤)とも呼ばれます。
硝酸剤は、血管を拡張させることで心臓への酸素供給を増やし、胸痛や心臓への負担を軽減します。
 
しかし、シアリスと硝酸剤を併用した場合、シアリスのPDE5阻害作用による血管の拡張作用と効果が重複するため、血圧が急激に低下するリスクが生じます。
この急激な低血圧状態はめまいや失神、場合によっては生命を脅かすような重篤な症状を引き起こす可能性があるため、両薬の併用は厳禁です。
硝酸剤を服用している場合は、シアリスの使用に関して必ず事前に医師へ相談し、適切な代替治療や指導を受けることが重要です。
この確認を怠ると、重大な健康リスクを伴う可能性があります。

 

sGC刺激剤

sGC(可溶性グアニル酸シクラーゼ)刺激剤は、主に肺高血圧症の治療に使用される薬です。
この薬は、体内で細胞内のcGMP(環状グアノシン一リン酸)濃度を増加させ、血管を拡張させる効果があります。
sGC刺激剤とシアリスを併用した場合、シアリスのPDE5阻害効果によってcGMPが増えすぎることで、血圧が危険なほど低下する恐れがあります。
 
たとえば、リオシグアト(商品名: アデムパス)はsGC刺激剤の一種で、その添付文書ではシアリスや同様のPDE5阻害薬との併用が禁忌とされています。
この併用により、症候性低血圧(自覚症状のある低血圧)を引き起こすリスクが大幅に高まるためです。
sGC刺激剤を服用している場合は、シアリスを処方される前に必ず医師に伝えなければなりません。シアリスの安全性を確保するためには、服用している治療薬がある場合は事前に伝えて併用に関しての判断をしてもらうといったことが必要です。

 

シアリスとグレープフルーツの併用も避ける

グレープフルーツシアリスはグレープフルーツとの併用にも注意が必要です。
グレープフルーツには、薬物代謝酵素の働きを阻害する成分が含まれています。代謝酵素の働きが抑えれることでシアリスの効果が強くなりすぎて副作用のリスクを高めます。
そのため、シアリスを服用する際は、グレープフルーツやグレープフルーツジュースの摂取はしてはいけません。

 

併用以外でシアリスを服用しないほうがよい人もいる?

胸を押さえる中年男性シアリスは安全性の高い薬ですが、服用そのものが禁忌という場合もあります。
たとえば、心臓病や不整脈がある人、血圧が正常範囲から大きく外れている人は該当します。
特に、過去3か月以内に心筋梗塞を経験した人や、6か月以内に脳梗塞や脳出血を起こした人は服用を控える必要があります。
 
また、重度の肝機能障害がある人や網膜色素変性症と診断されたことがある場合も、シアリスの服用は厳禁です。
これらの条件に該当する場合は、シアリスではない治療薬を用いるなどして改善する必要があります。

 

まとめ

シアリスは効果的なED治療薬ですが、安全に使用するには注意が必要です。
硝酸剤やsGC刺激剤などが含まれた風邪薬との併用はNGとなっています。
また、シアリスは上記のような風邪薬だけでなく、グレープフルーツもNGです。
 
また、心臓病や脳卒中の既往歴がある人や重度の肝機能障害がある人はシアリスの服用そのものが禁忌となっています。
そのため、シアリスを服用する場合は事前に自身が服用できるかどうかや他の治療薬との相性を確認しておくようにしましょう。