コロナ治療薬「ラゲブリオ」って?モルヌピラビルとは何が違う?
新型コロナウイルス感染症の治療薬として日本国内でも承認・処方されているもののひとつが「ラゲブリオ」です。一般的にはモルヌピラビル(モルキシビル)といった名称で知られていたりします。
同じ薬であるのに「ラゲブリオ」と「モルヌピラビル」というふたつの名前を持っているのはなぜなのでしょうか?
こちらのページでは、そんな薬の名称の違いなどについて紹介していきます。
ラゲブリオは「販売名」
医薬品が販売されるときの名称は、医薬品メーカーが付けることができます。
消炎鎮痛剤として日本でも幅広く利用されている薬に「ロキソニン」がありますが、こちらの販売名は「ロキソニン錠60mg」や「ロキソプロフェンナトリウム内服液60mg」といったものになります。
販売名を見るとわかるように、薬の服用方法や成分量と合わせて名づけられており、販売名を見ることでどういった薬なのかというのをある程度把握することができるようになっています。
新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認された「ラゲブリオ」も販売名は「ラゲブリオカプセル200mg」となっており、有効成分が200mg配合されたカプセルタイプの内服薬であるというが把握できるようになっています。
モルヌピラビルは「一般名」
日本では「ラゲブリオ」として処方されている治療薬ですが、知名度としてはラゲブリオよりも「モルヌピラビル」の方が高いのではないでしょうか。
では、そもそもこのモルヌピラビルって名前は何なのか?というとこれは薬の「一般名」と呼ばれるものになります。
薬の一般名というのは、最近ではWHO医薬品国際一般名称委員会で決まる「International Nonproprietary Name」が使われます。
しかし、日本では「日本医薬品一般的名称JAN」が定められているため、前述のINNでの一般名と違っているケースもありましたが、INNとの整合を取った一元化の方向にあります。
そして、モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症治療薬の「ラゲブリオ」の一般名というワケです。
一般名はさまざまな規則に沿って名称がつけられていることが少なくありません。
例えば、抗ウイルス薬には「ビル」という語幹が用いられています。
一般名 | 商品名 |
---|---|
モルヌピラビル | ラゲブリオ |
ラニナミビル | イナビル |
オセルタミビル | タミフル |
ザナミビル | リレンザ |
上記の表で挙げたイナビル、タミフル、リレンザはインフルエンザ治療薬として知っている方も多いのではないでしょうか?
インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症であるため、抗ウイルス薬による治療が必要でありそのための治療薬の一般名の最後には全て語幹の「ビル」がついているのがわかるかと思います。
その他にも、キノロン系抗菌剤の一般名には「フロキサシン」といった語幹が用いられていたりします。
このように、その薬がどういった分類の薬なのかを語幹などによって把握することができるようになっていたりします。
ただし、ジェネリックなどが製造されている薬の場合、一般名が同じでも薬をつくるメーカーや販売名が違っているというようなケースがある点には注意が必要です。
ラブゲリオ=モルヌピラビルで効果に違いはない
これまでお伝えしてきたように、ラブゲリオとモルヌピラビルは販売名か一般名かの違いであり、中身の効果は変わりません。
そのため、ラゲブリオとモルヌピラビルという名称の違いはありますが、名称が違っても同じ作用を持った薬を指すため、ラゲブリオとモルヌピラビルで効果に違いがあるといったようなことはありません。
ただし、一般名は同じなのに、販売名が違うというケースはゼロではありません。
例えば、消炎鎮痛剤の「ロキソニン」の一般名は「ロキソプロフェンナトリウム水和物」で変わりませんが、販売名が「ロキソニン錠60mg」や「ロキソプロフェンナトリウム内服液60mg」といったように違う場合があります。
「ラゲブリオ」と「モルヌピラビル」は、どちらも新型コロナウイルス感染症を治療する薬につけられた名称であるため、どちらを利用しても新型コロナウイルス感染症の治療を行うことが可能です。
ラゲブリオは日本以外では手に入らない
新型コロナウイルス感染症の治療薬「ラゲブリオ」は日本国内で承認・処方されているものであるため、国内の病院で処方してもらう以外に手にする方法はありません。
しかし、世界各国で一般名「モルヌピラビル」の治療薬は承認・処方されています。そのため、個人輸入代行サービスを利用すればモヌルピラビルを輸入して使用することが可能となります。