うつ病の原因はなに?うつ病の最大の原因は「ストレス」
2002年では躁うつ病を含む気分障害の外来患者数は68万人であったのに対し、2017年では124万人とおよそ2倍の患者数となっています。
現代病のひとつといっても過言ではないほど、多くの方がうつ病に悩むようになっています。
では、そんなうつ病になってしまう原因とはいったい何なのでしょうか?
うつ病の原因としては色々なものが考えられていますが、その中でも大きな原因として考えられているのはストレスです。
こちらのページではそんなうつ病の原因やストレスなどについて詳しく紹介していきます。
うつ病は単一的な原因ではなく複数の原因が絡み合っている
うつ病はなにか特定の原因によって起きるというケースはそこまで多くありません。
もちろん、ひとつのことが原因となって起きる場合もありますが、その多くは複数の原因が複雑に絡み合ってうつ病を引き起こしています。
原因がひとつだけであれば、その原因に対してのみアプローチすればよいのですが、原因となる事柄が複数ある場合はそれぞれに対策する必要があるので予防や治療は容易ではありません。
うつ病の原因になり得るもの
うつ病の原因の中でも特に大きい原因となるのがストレスです。
ですが、ストレス以外にもさまざまな事が原因となる場合があります。
そこで、まずはストレスをはじめとしたうつ病の原因となりえるものについて紹介していきたいと思います。
参考元:うつ病
環境的な要因
うつ病の原因になりえるもののひとつに環境的なものがあげられます。
仕事の環境がガラリと変化してしまったり、大切な人や家族などとの別れ、人間関係のトラブルといったような環境の急激な変化は、大きなストレスの原因にもなってしまいます。
そうして、急激に強いストレスがかかってしまうことによってうつ病を発症してしまう場合があります。
もちろん、環境の変化は上記以外にも経済状況の困窮や病気、結婚や出産による変化などさまざまな事が原因となってうつ病になってしまうこともあります。
こうした環境の変化によるストレスのかかり方は人によって全く違っています。同じ事柄でも強いストレスに感じてしまう人もいれば、全くストレスに感じないという人もいます。
性格的な要因
環境的な要因以外にも、人の性格的な部分が要因となってうつ病を発症してしまうケースがあります。
この性格的な要因でうつ病になりやすいとされているのは、ストレスを感じやすい性格の人です。
例えば、生真面目や几帳面な性格の人の場合、ちょっとした環境の変化などが大きく強いストレスとなってしまうことがあります。
また、生真面目や几帳面という性格の方は社会的な評価は高い傾向にありますが、その反面、他者からの評価が気になりすぎてしまうケースも少なくありません。
その結果、他者の評価を気にするあまり自身で知らず知らずのうちに強いプレッシャーやストレスを抱え込んでしまい、うつ病を発症してしまうという場合もあります。
遺伝的な要因
うつ病は上記のような環境や性格的なことが要因以外に、遺伝的な要因が関係して発症してしまう場合もあります。
未だ、うつ病が遺伝するということについてのメカニズムは解明されていません。
ですが、さまざまな研究が進められており、うつ病の遺伝率は3~5割とされています。
そのため、近親者にうつ病を発症したという方がいる場合は、自身も遺伝的な要因でうつ病を発症してしまうという可能性があります。
遺伝のメカニズム自体は解明されていませんが、3~5割という高い遺伝率があるとされていることから、日常の中でうつ病の要因となることの対策を行うことで予防できる可能性もあります。
身体的疾患による要因
うつ病は病気が原因となって発症するという場合もあります。
どんな病気でも要因にはなりますがなかでも多いのは糖尿病や腎臓病などかと思います。
糖尿病や腎臓病になってしまうと、病気の程度にもよりますが厳しい食事制限や毎日の投薬などを強いられるということは珍しくありません。
こうした病気による食事制限によって食べたいものも食べれないといったことが、非常に大きなストレスとなってしまってうつ病を引き起こすといったことがあります。
また、癌などの命に大きく影響するような病気になってしまった場合にも、非常に強いストレスがかかってしまううつ病を発症してしまうという場合があります。
最大の原因はストレス
うつ病の原因としてさまざまな要因についてお話してきました。
これらの要因などが複雑に絡み合いうつ病を発症してしまいますが、そのほとんどの要因の先にあるのが「ストレス」です。
- 急激な環境の変化などによってストレス感じる
- 周囲の評価が気になりストレスを感じる
- 闘病生活がストレスに感じる
といったように、例えそれぞれがほんの小さなストレスであっても、その小さなストレスが複雑に絡み合い積み重なっていくことによって最終的には大きな負担となることでうつ病を発症してしまうのです。
もちろん、絶対に複数の要因が絡まずとも、何かしらの要因ひとつで非常に大きなストレスがかかってしまうことでもうつ病となってしまうこともあります。
うつ病は「女性」や「高齢者」に多いってホント!?
うつ病の要因となってしまうことは色々とありますが、実はこのうつ病は女性や高齢者の方に多くなっています。
では、なぜ女性や高齢者の方にうつ病が多いのでしょうか?
女性に多い理由としてはホルモンバランスの急激な変化のほか、結婚や出産、育児や介護などのライフイベントが多いという点があげられます。
高齢者に多いとされている理由としては加齢に伴う身体機能の低下によるストレスや退職による社会的地位の喪失による不安、パートナーとの別離によるストレスなどがあげられます。
こうしたように、女性や高齢者はうつ病の原因となるストレスがかかる要因が多いため、うつ病に悩む人も多くなっています。
参考元:高齢者「うつ」の原因は?
うつ病の治療方法
うつ病の原因となることについてここまで紹介してきました。
これらのことが原因となって実際にうつ病が発症してしまった場合には、どのような方法で治療が行われるのでしょうか?
ここからは簡単にうつ病に対するさまざまな治療法を紹介していきたいと思います。
薬物治療
うつ病になってしまった場合にとられる治療法の基本となるのが投薬治療です。
こちらではうつ病を治療するための治療薬を用いることによって、うつの症状を改善していくものになります。
うつ病の治療薬は依存症などいろいろとネガティブなイメージを持たれる方は少なくありませんが、現在ではそうしたリスク面を抑えたジェイゾロフトやパキシル、レクサプロといったような治療薬も増えています。
そのため、適切に治療薬を使って治療を進めることで、うつ病を改善へと導くことができるようになっています。
参考元:うつ病の薬物治療
メンタルケア(精神療法)
うつ病ではメンタルケアと呼ばれる精神療法が取られる場合もあります。
こちらの治療法は対話療法とも呼ばれており、うつ病の人が自身の問題に気づくことによって、その問題への対処法を考え、対処できるようにするものになります。
メンタルケアでは行動療法や認知療法、対人関係療法など6種類の精神療法を駆使して上記の治療を行います。
さまざまな手法があり、それを駆使する治療を行う人の技術力などによって効果が左右される部分がある点には注意しておく必要があります。
参考元:精神障害の治療
ストレスの根本を解消する
うつ病の治療法の中で最も基礎となるのがこちらのストレスの根本を解消するという方法です。
これまでお伝えしてきているように、うつ病の最大の原因はストレスです。
ストレスの原因となっている根本を解消することができればうつ病も改善することが考えられます。
ただし、こちらの治療法を実施するためにはうつ病患者それぞれのストレスの根本を適切に特定する必要があり、その上でストレスの根本を解消する必要があります。
ですが、老化といったストレスの根本を解消することが難しいという場合もある点には注意が必要です。
まとめ
うつ病を発症するキッカケとなる要因にはいろいろなものがあります。
- 環境
- 性格
- 遺伝
- 病気
環境の急激な変化によってストレスになることもあれば、自身の性格が原因となってストレスを抱えることもあります。
また、大きな病気になってしまうことでストレスを抱え込んでしまうことも。さらに、親族にうつ病の方がいる場合は遺伝が原因となってしまうこともあります。
このように、いろいろな要因が複雑に絡み合うことで、ストレスが蓄積して大きなものになってしまうことでうつ病を発症してしまいます。
ですが、現在ではうつ病を改善するための方法も複数登場していますので、うつ病になったからといって改善できないわけではありません。
適切に原因を把握して対策をしながら、万が一うつ病を発症してしまったような場合は、適切に治療を行うようにしましょう。